第15話
「困ってんなら手伝うよ」
さっき、気だるそうにしていた子だ。
いつの間にかレジから離れ、私の後ろにいたらしい。
近くで良く見ると、派手なのに丁寧にされているメイクはもはや芸術だ。
「あ、ありがとうございます」
「うわめっちゃ可愛いんだけど。マジやべぇ」
腕の中を覗き込み、ヤバいを連発する彼女に私はクスッと笑った。
「名前なんて言うの?」
「え?名前…」
名前なんて言うんだろう。
言い淀む私に、彼女は怪訝な表情をした。
「なんか訳あり?」
優しく尋ねられる言葉に、私はゆっくり頷いた。
「オッケー、まぁそれは置いといて。とりまミルクっしょ。キューブ型だと哺乳瓶にポンって入れるだけで楽だよ」
一番上にあった箱を取ると、私に手渡す。
「粉が飛び散ることもないし、わざわざ量計らなくていいからオススメ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます