第18話

スーッと、ワタシの中を光る塊が通ってゆく。


先ほどまでのあの火の海は消え、美しく息吹いた景色が戻っていた。



ガサッ


森の茂みから一人のニンゲンが現れた。


ニンゲンは、真っ直ぐにホコラへ向かっているようだ…、


手には花と酒が水の入った入れ物を持っている。まともなニンゲンか。




だが、

少々、げかいを感じた。気のせいか。



ニンゲンにはワタシの姿は見えていない。かみ

が山ノ神だった頃の事だろう。

いつの間にやら、この夢とも現実ともわからぬ、ガンジガラメの有り様を冷静に受け止めていた。

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