第16話

かみかみでいられなくなった出来事とはこれか…。


逃げ惑う動物や鳥の群れ、音を立てながら姿を変えていく花々や樹々、言葉ではあらわすことのできないオソロシイ光景は、ワタシの感情を飲み込みかけた。



火の海の向こう、

向こう、

離れた場所から何やら不穏な気配がする。


何者かと目をこらしジーッと見ていると、数体、火の海の向こう側にいる。

 

げかい者者ものものだ。


おそらく、火を放ち、この山の命を喰らおうとしている正体だろう。


『にくい、ニクイ、憎い、憎いィィィ・・・・』


かみのもがく声がする。


『ニンゲン共めえ、ニンゲンが憎い!』





げかい者者ものもの


その正体は、ニンゲン。


ニンゲンと言っても種類がある。


げかいの者と部類されるニンゲンは、

超強欲、そして正の感情のない、血の通わない中身が屍と化した者だ。




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