第6話

そういや、小耳に挟んだ話じゃあ、昨今のニンゲンの都合の良さに

あの神神ですら、若干の冷ややかさを放ってるらしい。


そりゃそうだ。


かつて楽園てんごくと呼ばれたニンゲン界も、今やげかいとさほど変わらない。


一見、きれいだ。


だが、透き通っていた空間せかいは、

今やにごりに濁ってしまい、時折、視界をさえぎるまでに。


ニンゲンの身勝手わがままさが招いた結果こたえなのか…。



そんなニンゲンも、強くはない。


あちらを見ても、こちらをのぞいても、みんな

「カミサマ、どうかどうか、お願いします!」

毎度いつも神頼みという名の神任せ。


お願いします。とつぶやきながらも、ニンゲンが見ているのは、いつも神様の向こう側。


振り向くと、

そこはニンゲンが生み出した、欲望まっくろの波で溢れかえっている。


強くはないが、欲の塊なのは一丁前。



ワタシハそんなものになりたいのか…と、


今、己に問う。

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