第8話 インターネットを活用する宇宙人

 病院前、俺は青木さんと合流した。

 青木さんとは病院のバス停前に来るように、と伝えておいた。来なかったらどうしようとか思ってたけど。

 

「色々ありがとうございます」

「ちゃんと来てくれたな」

 

 良かった。

 

「今日は体調、問題ない?」

「大丈夫です! すこぶる調子が良いって訳ではないですけど、そんなそんな酷い訳でもないので!」

 

 まあ普通ってことか。

 これが特に問題ないなら良いんだけど。

 

「でも若干申し訳ないです。これで何ともなかったら他の魔法少女の人達がいっぱい働いてるのに」

 

 ズル休みをした気分、って感じか。

 何となく分かる気はしなくもないけど。

 

「自分は自分、他人は他人だ!」

「ええ……」

「それにほら、魔法少女も少なくない。ナイトメアが出現しても対処できる人員は他にもいるんだ」

 

 代わりは幾らでもいる、って感じがして人によっては嫌な気もするだろうけど。

 

「休む時は休んで。働く時は働いて。今回は青木さんが休む番だっただけ。大丈夫だったら今度は青木さんが働く」

「なるほど!」

「世の中相互扶助で成り立つんだ」

「はい!」

 

 うん、納得してくれたみたいで良かった。青木さんワーカホリック気味じゃないかな、高校生なのに。

 

「取り敢えず受付しといで」

「行ってきます!」

 

 救急じゃないから時間がかかりそうだ。その間、俺は何してようか。

 

「受付終わりました! 呼ばれるまで待ってないといけないみたいです」

「一人でも大丈夫?」

「はい」

 

 流石に病院にいれば逃げるって事もしないだろう。高校生だし。

 

「俺、ちょっと離れるけど……」

「……そうですか」

「終わったら連絡してくれれば良いから」

「分かりました」

 

 つまらなそうな顔をした青木さんに「終わったら、また何か奢ってあげるから」と言うと。

 

「甘いのが食べたいです!」

「分かった。甘い物な」


 調べておこ。


「ちゃんと診てもらえよ」

 

 俺は一人に……はなれないんだよな。鞄の中にホルトさんが居るから。

 

「ホルトさん」

『うむ?』

「何か気になるのありましたか?」

『いや、大概はインターネットで分かっておるぞ』

 

 インターネットすげぇ便利だな。宇宙人も活用してるよ。

 

『特別見たいものはないかの』

 

 ならどうしようか。

 

「……暇だな」

 

 病院の外に出て、青い空を見上げてボヤく。

 

『暇暇言うて、儂の仲間を救うって話もちっとも前進せんではないか』

「いや、それは仕方ないじゃないですか」

 

 今の所、それっぽいのはないんだし。

 

「てかインターネットとかで出てこないんですか?」

『出てこんな。どうでも良い情報ばっかりじゃ』

 

 流石に宇宙人とかについては半信半疑の情報ばかりか。

 

「そういえば……救難信号は今も出てるんですか?」

『いや、今は来とらんが。まあこの星から届いたのは確実じゃよ』

 

 ホルトさんも嘘を言ってるって事はないだろう。

 

「そのうち何か分かるかもですね」

『今は仕方がないかの。しばらくはお前さんのナイトメア退治に協力してやるわい』

「はいはい、ありがとうございます」

 

 お陰様で片岡さんの部屋に上がる理由もできて嬉しい限りですね。あれ以降まだ上がってないけど。

 

「見つかると良いですね」

『そうじゃな』

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