最愛の妻、アカネ。幼くも利発な息子、イチロウ。愛すべき家族と暮らすゴロウはある日、呆気なく殺された。
意識だけの存在となったゴロウは神的存在と出会い、地球を飛び出し、転生のためのハローワークがある惑星へ。そこで女神であり来世の斡旋者であるミユキのもとへ赴き、「一瞬」だけ愛する家族のもとに戻ることを許された。
その頃、アカネとイチロウは夫と父を失った哀しみを埋めるかのように一匹の犬、ペロを飼い始める。そのペロにはゴロウの意識が宿っていた。
本物の宇宙人が描く地球人の死と再生、そして一瞬の出会いと別れが緻密かつユーモラスな筆致により紡ぎ出される。宇宙SFであり、スピリチュアルであり、ファンタジー。
そのすべてを内包した途方もないスケールで描かれるのは、ひとつの家族に極個人的に起きるささやかな奇跡である。
さあ、今こそ、この小説を読み、圧倒的世界観に感動し、家族の触れ合いに滂沱の涙を流してみよう。