Nanako 4.wish



「そりゃ、絶対、カラダ目的じゃん」


練習後にサークルのみんなでファミレスに寄って、そこで解散するの常だ。


今日は、千夏が車できている。


東京出身の千夏はたまに家の車をつかって練習にくる。


ナツみたいに東京出身のくせに一人住まいをしていたり車持っていたりするお嬢様ではなく、千夏は、ごく一般的な家庭の子だ。


千夏の車で送ってもらうことになったわたしは、彼女をドーナツ屋さんに誘った。


話を聞いてもらいたかった。


ひととおり今までのナツとの経緯を話した彼女の第一声がこれで、正直、撃沈される。


「千夏、露骨すぎるでしょ、その言い方は」


新作のドーナツを口の中でもぐもぐいわせながら、わたしは言った。


「だって普通に考えてないでしょ? 初対面の女に交際申し込まれて、その場でOKなんて。そりゃ、ぜんぜんもてそうもない男なら、次はないかもしれない彼女を大事にするのも考えられるけど」


「わたし、勢いで言ったけど、大事に育てようと思ったんだよ。この関係を」


「男と女はちがうよ。それにあまりにも突飛すぎたよあんたの行動。あれじゃ、わたしご覧の通り軽い女ですって言ってるようなもんだよ」


「でも、サークル、ちゃんと入会してくれたじゃん」


「一度もきてないけどね。カフェにも練習にも。とりあえずあんた目的で、入会金払ったんじゃん。どうせ夏合宿でなきゃ、幽霊部員は名簿から抹消されるんだけどね」


「でも……」


わたしは口ごもる。わたしは楽しかった。

最初のデートも、二度目のデートも。


すごくすごく楽しかった。

ナツだって楽しそうに笑ってた。


あの笑顔に下心ばかりがつまっているなんて思いたくない。


「普通さぁ、電話したら履歴が残るんだから、そのとき出られなくても、かけなおしてこない?」


「………」


「ラインは?」


「たまに送ってるけど、最近はもどってこない」


「もうやめなよ」


わたしは、はっと気づいて時計を見る。十時だ。


「ごめん、わたし、ちょっと電話」



いそいでわたしはスマホを取り出すと、十時ぴったりになるのを待って、ナツに電話をかけた。


呼び出し音だけが無常に響く。


わたしは留守電にきりかわってから、菜々子です。


ナツおやすみ、とだけ言って切った。


片手で頬杖をついて、わたしのやることをうさんくさげに見ていた千夏が、口を開く。


「もうやめなってば菜々子。最初の印象と違ってヤレなそうだな、この女って、そう判断して、切られたんだよ」


あいかわらず、歯にちっとも洋服を着せてくださらない千夏だ。


もうちょっと言い方があると思うんだけど。

わかってるよ。


今の時点でナツはわたしをなんとも思っていない。


でも少なくとも、嫌われてはいないと思う。


たぶん……そうだと思う。


「楽しかったもん」


「はい?」


「デート」


「じゃ、その思い出だけを胸に、自然消滅にするんだね。てか、連絡とれないんじゃ、どうしようもないじゃん」


まさにそのとおりだった。


「ねぇ、菜々子、あたし、あんたがあの男にもてあそばれそうになったら、腕ずくでも阻止するからね」


そんなことにはならないよ。


現に、ナツはわたしに何も無理強いをしていない。


部屋に来いって言われてことわったって、嫌な顔ひとつしない。


「優しい人だよ。ナツは」


自分に言い聞かせるような弱い声しかでない。


「じゃあなんで連絡のひとつもよこさないの? あんたとまともなつきあいしようと思ってるんなら」


「もう少し、がんばってみる」


もう少しだけ。


ナツがわたしのこと鬱陶しいと思っているようなそぶりをみせたらすぐにやめよう。


そう今なら、まだわたしは傷つかない。

まだ、いくらでも引き返せる。



二時限目が空き時間だった。


千夏も百合もおんなじ英文科だけど、選択科目の関係で彼女たちは二限が埋まってる。


わたしは彼女たちの講義がある四号館に向かう途中の自動販売機の前にいた。


「じゃ、また三限にねー」


千夏と百合が手を振って、四号館に向かう。


カフェラテ買って、カフェで時間をつぶそう。


そう思って、自販機に小銭を入れようとしたら、後ろからごっつい手がにゅっと伸びてきて、挿入口にカチャカチャ、先にお金入れられてしまった。


なに? 横入り!! 


宙ぶらりんになった、小銭を挟んだ指を拳にして、わたしは勢いよく後ろを振り向いた。



「ちょっとっ!!」


「こえー」


立っていたのは笑顔のナツだった。


友達五、六人と一緒だ。この間の人たちかな?


「カフェラテ? アイスのでいいの?」


「う、うん」 


ナツはアイスカフェラテのボタンを押した。


ナツがかがんで、アイスカフェラテの缶を取り出してくれるのをぼんやりと見ていた。


『奇遇だねーこんなとこで会うの』って言葉が出そうになる。


別にたいして奇遇じゃないか、同じ大学内だし……と、とどまる。


「はい」


手渡された。


「あ、ありがと」


「ナツ、先行ってるぞー」


ナツと一緒にいた男の子たちが彼に声をかけて中庭のほうに出ていく。


「おー」


ナツがちょっと手をあげて応える。


それからわたしのほうに向き直る。


「経済の、経営のやつら。ほらあの金髪は村上ってやつで、あの新歓コンパん時もいたよ」


「ふぅん」


気づかなかったな。


あの時はナツしか見てなかったから。


「ごめんな」


「え?」


「毎日、電話くれてただろ? ほら、俺、一人暮らし始めたばっかじゃん? なんかジム終わって友達と飲みに行ったり、友達が俺んちきたりであの時間帯、まわりがうるさくって電話、気づかねぇんだわ」


「いいよそんなの別に。出られない時のが多くてあたりまえだよ」


かけなおしてほしいなんてとても言えない。


かけなおしてくれないのは、ナツにそれだけの気持ちがないからに決まっているから。


それより、わたしの頭にあったのは、あさっての日曜のことだ。


あさっての日曜は久しぶりにテニスの練習が休みなのだ。


コートの抽選にもれた。


大人数の名前使っていつも抽選をやっているから、こんなことはめったにない。


大学がないから一日中一緒にいられる。

一日デートができる貴重な日だ。


「ナツ、あの、次の日曜―――」


「菜々子っ!!」


しょうこりもなく、ナツを誘おうとしたわたしの耳に聞きなれた大音響が飛び込んできた。


「千夏……」


四号館に行ったはずの千夏がなぜかもどってきている。


千夏の後ろに状況が把握できていない百合が、ぽつんと立っている。


千夏はわたしとナツの間に入り、仁王立ちになった。


「ちょっとあんたっ」


そういうと千夏はいきなり、ナツの肩を突き飛ばした。


「いってーな!! 何すんだよ!!」


ナツはまさか女の子からこんな扱いうけると思っていなかったのか、ふいうちをくらって、二、三歩、後ずさった。


「あんた、菜々子のこと、一人暮らしの自分んちに引っ張り込もうとしたんだって? 何勘違いしてんのか知らないけど、菜々子はねー、そういう軽いタイプの女じゃないんだよ?」


げげげ。何を言い出すのよ千夏。



「ちっ、違うよ千夏、別に引っ張り込もうとしたとかそういうのじゃなくって、えっと、そう!! 誘われたんだよ。誘われたの!!」



「どっちだっておんなじだよ。この男のヤろうとしてることは一つしかないんだって!!」


ナツをそんなふうに言ってほしくなかった。


連絡がとれなくたって、わたしの一方通行だって、それはナツのせいじゃない。


ナツをそんなふうに言ってほしくない。


ナツはそんな人じゃない。


「やめてよ千夏!! ナツはそんな人じゃないってば」



「じゃ、どんな人なのよ? 菜々子はいったいこいつの何を知ってんの?」


「優しい人だってこと!!」


「は? いいかげんに目をさましなよ菜々――……」


「優しいったら優しいのっっ」


女二人のバトルをただナツは傍観してた。


ナツを背に千夏と向かい合っていたから顔は見えないけど、たぶん、いや絶対にあっけにとられているはずだ。


恥ずかしいよ、もうやめたい。


そのとき、救いの手の本鈴がなった。


「ほら千夏、次、フランス語でしょ? 出席間に合わないと三回でアウトでしょ?」


「もう!! あんたっ。菜々子のこと泣かせたら、承知しないからね!!」


それだけ言うと、千夏は猛ダッシュで四号館のほうに走り出した。


おっとりしている百合も律儀に千夏を待っていたから遅れそうで、二人で砂煙をあげそうな勢いで走っていくのが、ちょっと笑えた。



「千夏先輩!! もう連れ込もうとしないよ約束する!!」


その千夏の背中に向かって、はずかしげもなく大声でそう叫んだのはナツだ。


一瞬、足を止めた千夏はまた猛ダッシュで走り始めた。


やっぱり連れ込もうとしたの? 


やっぱりナツはそういう人で、わたしはそういう軽い女だって思われていたわけなんだ? 


連れ込めないってわかった今、千夏の主張通り、わたしはもしかして用済み? 


「ふーん、やっぱ、連れ込もうとしたんだ?」


幻滅。わたしはナツを正面から思いっきり睨んだ。


確かにいきなり『つき合って』は唐突すぎたかもしれない。いや酔っていたとはいえ、唐突すぎたと認めるし反省もしよう。


でもやっぱり、隙あらば誰とでもほいほい寝ちゃうような男とマジメな恋愛なんてできない。


優しい人だと思っていたのに。

そう信じていたのに。


「ばいばい。カフェラテごちそうさま」


そう言って、そこからカフェに向かおうとしたわたしの肩を、ナツはいきなりつかんで、ひきもどした。


「違うって!!」


わたしは振り向いてナツを見上げた。


「自分で連れ込もうとしたって言ったじゃない」


「あれは千夏先輩がそう思ってて、菜々子さんのこと、すっげぇ心配してるから。だから、そう言っただけ」


「違うの?」


じっとナツの目を見る。見据える。


「違う」


ナツもわたしに負けないほど見返してくる。


そっか。そうだよね。


わたしが顔の筋肉をゆるめたとたん、ナツも釣られるように笑顔になった。


「あっ!! ナツ!!」


「なに?」


「もう本鈴なっちゃったよ。いいの講義?」


「あー、菜々子さんは?」


「空き」

「そっか」


そう言って、ナツはスマホを取り出し、操作し始めた。


「次、大教室だから代返たのんでもバレない。それより菜々子さん、千夏先輩とおんなじ英文なんだろ? 第二外国語、フランス語じゃないの?」


「わたしはドイツ語」


「マジ? じゃ、カフェラテ代払ってよ。これで」


そう言って、ナツがしょってたカバンから取り出したのは見覚えのあるテキスト。


「あー、永井教授でしょ? 去年やったよ」


ナツが満面の笑みになって小さくガッツポーズを作る。


「ラッキー!! ぜんぜんわっかんねぇんだよ。その訳」


わたしはフッと笑う。

ナツは喜怒哀楽を全面に出す。小さい男の子みたいだ。


「いいよ。カフェに来る?」


「いや。カフェはやめとく」


そっか。いずれやめる気だから、オレンジのたまり場にくるのは都合が悪いんだね。


そうだね、ボクシングとうちのサークルの両立は無理だ。


「わかった。空き教室行こ」


わたしは構内のはじにあるもうすぐ取り壊されることになっている二号館にむかった。


あそこなら空き教室だらけだ。


「なあ、菜々子さん」


「何?」

「俺、優しいの?」


改めて聞かれると、さっき、千夏に向かって噛み付くみたいにして言った、ナツに対しての言葉がやけに恥ずかしくなる。


「優しいよ。カフェラテ買ってくれるもん」


ナツのほうを見ないでずんずん歩きながら喋る。


すごい早足であるいているのに、余裕でおいついてくるナツ。


コンパスの差が痛い。


中庭を挟んでかなり奥にある二号館はめちゃくちゃ遠い。


二号館には、高校の教室と同じような雰囲気のそれが、いくつもならんでいる。


黒板に古い木製の机と椅子。


三号館の真裏になるから東南からの陽がほとんど入らなくて教室は薄暗い。


でも思ったとおり、ほとんど空いている。


わたしはそのうちの一つに入った。


「ここでやる?」


わたしの言葉にナツがニヤっとした。


「なんか今の発言、エロくない?」


なんで? と言いかけて……。


わざわざ薄暗い空き教室にきて、「ここで……」って。


わたしはおそらくは真っ赤になってて、ナツを思いっきりバッグでたたいた。


「ばかっ。そういう意味じゃないでしょ。なんでナツの頭ん中はそんなことばっかなのよ」


「たいがい俺らの歳の男の頭ん中なんてそんなもんだよ」


やっぱりそうなんじゃない!! さっきのわたし連れ込み疑惑また浮上。


「もう帰る」


きびすを返すわたしにナツが笑いながら腕をつかむ。


「冗談だよ。菜々子さんって、ホント、いじりがいがある」


立ち尽くすわたしをよそにナツはドカッと椅子の一つに腰をおろし、永井教授のドイツ語のテキストと、かばんからだしたノートを机においた。


「帰れねーよ、カフェラテ買ったんだから。ほら座って」


しぶしぶわたしはナツのとなりに腰かける。


「たっかいカフェラテ!!」


わたしはナツの真新しいドイツ語のテキストを開いた。


「どれ?」


「えっと、こっからここまで」


ぜんぜん楽勝だ。

わたしはナツのノートにさらさらと書き出した。


「うわっ。菜々子さんすげぇじゃん」


終わった。だってたった五行だもん。

当たり前か。


まだ一年の最初だもんね。


わたしの書いた和訳のノートを両手で高く掲げながら感嘆の声をあげるナツ。


おおげさだよ、でも無邪気だなー。


「来年、こういうのなんだよ?」


わたしは自分のバッグから、永井教授のテキストをとりだして、ナツに見せた。


「げー、マジで?」


グリム童話の原書の抜粋だ。


永井教授はけっこう、ぎっちり授業やるヒトだと思う。どうしてこの教授を選ぶかなー。


せめて第二外国語だけでももっと楽な教授、教えといてやればよかった。


「俺の人生にドイツ語って絡まなそうなんだけど」


「じゃ、なんでドイツ語選ぶのよ。楽したいんなら、もっと簡単に単位くれるヒトにすればよかったのに。中国語とかフランス語とか。千夏のとってるフランス語なんて出席だけだよ?」


「ドイツ語がかっこいいと思って」


もう、一生懸命語学をやっているわたしには、がっくりくるような答えが返ってくる。


「一年の最後に、簡単だけど作文あるからね」


そこでナツはまた不敵な笑い方をする。


「またカフェラテおごってあげる」


それ、どういう意味? 


一年後もわたし、ナツの近くにいてもいいの? 


それともそのときだけ、わたしに連絡をとるの? 


ナツからわたしに連絡をしてきてくれたことは、ないじゃない。


でも、ナツ、ドイツ語があるから、わたしのことを利用価値のある女だと思ったかもしれない。


切らないでおこうと思ったかもしれない。


…そこでわたしははっとする。


利用価値だなんて、自分で自分のことをそこまで下げるなんてあきれちゃう。


「一年分ね」


わたしは後ろ向きすぎる自分の思いを振り払うように、笑って答えた。


ナツが声をたてて笑う。柔らかくていい雰囲気だと思う。


今なら、今なら。


今度の日曜日に、もしナツに予定がなかったら、わたしとどこかに行ってくれるかもしれない。


断らないかもしれない。


今、ナツがわたしをなんとも思ってないのは明白な事実だ。


でも切らないでおこうと思ってくれたら、その間に好きになってもらえるチャンスはあるかもしれない。


「あ、あのさ、ナツ、次の日曜日、サークルないのよ。もし、ナツもなんにも予定、なかったらさ。どっか、どっか行かない?」


「あー……」


ドキドキする。


ナツのことを好きなわけでもないのに、断られたらどうしよう、とすごくドキドキする。


「ジム、あるの?」


口を半開きにして天井のほう見て考えているナツに、我慢ができなくなって声をかける。


断るならジムのせいにしてほしい。


「ジムは休みで自主トレはしていいの。まぁそれはいいとして、また夜、俺んちで飲み会あるんだよ。さっきの村上とか、あと昔のラグビーのメンバーがほとんど集まるんだ。久々に」


「そっか。ナツは友達多いもんね」


ホントに予定があったんだよね? 



さけられているわけじゃないと、信じてもいいよね?


「だから、夜はダメだけど昼間ならいいよ。どっか行こうか」


「え? いいの? ホントに平気なの?」

「おう。どこ行く?」


なんだかあまりにも嬉しくて。ナツが断わらなかったことがすごく嬉しくて。


……わたしはきっと、どうかしていたのかもしれない。


「ナツー!!」


わたしは両手でナツの両手首をつかんで、満面の笑みでがっこんがっこんと揺さぶってしまった。



ナツは大きく目を見開いて心底びっくりした表情をした。


「あ、ごめん」


わたしはすぐに手を離した。


ナツは何も言わないで、なぜか軽く唇をかみ締めてわたしを見据える。


デートOKしてもらったくらいでこんなにおおはしゃぎする女って、もしかしてドンびき? 


千夏に軽くって言われていたのにまた失敗をした?


ナツの、思いのほか太かった手首に、男の子なんだって、そんなこと考えるつもりなんかないのに意識してしまう。


睨むみたいに見られているのに、なぜだか胸が甘い。


「菜々子、…さん…」


重くて低い声で切れ切れにナツがわたしの名前を呼ぶ。


机の上にあった彼の手がこっちに二、三センチ、スッと移動し、そこでゆっくりと握られて拳になる。


その先のナツの言葉や動作をかき消すように、予鈴がなった。


いつもの明るい声とはぜんぜんちがうナツの暗くかすれた声。


デートの誘い、やっぱりダメだったと断られるのかもしれないと思った。


「やばいっ!! わたし次の英文学七号館なのよ。間に合わない。またねっ。出れる時はちゃんと電話出てよ」


わたしはナツが断りの言葉を口にする前に、机に出したままの自分のテキストをひっつかむと、足早に出口にむかった。


「じゃーねー」


教室を走り出ると、わたしは急に、足の動きを緩めた。


英文学の教授は必ず遅れてくるし、七号館は別にここからは遠くない。


中庭をとぼとぼ歩きながら、わたしはため息をついた。



はぁ……もう心臓がもたない。


好きでもない男に、なんでこんなに翻弄されてるんだわたしは。


大丈夫なんだって。


ナツがわたしを切ったって、わたしは彼のことなんかなんとも思っていないんだから、傷つかない。


今なら、まだぜんぜん平気、絶対に傷つかない。


でもお願い、早くわたしを好きになってよナツ……。


そうすればわたしも安心して君を好きになれるのに。





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