第3話 判決の発端

円城が、逮捕された発端は、アイソンというショッピングサイトへの注文からだった。


円城は、各家庭で困ったことに対応するサービス業、所謂なんでも屋を営んでいた。

会社といっても事務所はなく、住まいのアパートの部屋を事務所代わりに使っていた。


「あぁ~、コピー用紙が足りない。ネット注文しとくか。」


円城は、パソコンを開き、何時ものアイソンショッピングサイトを開いた。


「コピー用紙3000枚っと。クリック。いやぁ~楽で良い。あとは置き配にしとけば、対応無し。あっ!待てよ。スマホ壊れて、新しい電話番号に変えたんだっけ。こういうときは…」


円城は、注文後すぐにアイソンのアカウントの変更をした。

その際、小さな表示で、「電話番号変更する際、前の電話番号での直近の注文履歴ほかデータは消去されます。」という表示があった。

何時もは手軽なスマホ注文だが、この日に限って、アイソンアカウント登録していないパソコンからだった。

「そんなバカなことはないだろう」とそのまま、電話番号を変更してしまった。

その日、暫く経って大屈銀行の口座から引き落とし完了のメールが届いた、が、アイソンからの注文メールはその後何日経っても届かなかった。

円城は不審ながらも、銀行口座の引き落とし通知から、信じて待つことにした。








2週間後、痺れを切らした円城は、もしや、隣の部屋に間違って配達してるのではないか?と思い始めた。


そして、隣の住人とケンカにまで発展してしまう。



勿論、信じて待つ間、何もしなかった訳では無い。

警察へ電話をすれば、担当していないから、消費者センターへ相談してくれと煙たがられ、消費者センターでは、時間が遅いから担当が1人で、他の対応があるからまた明日にしてくれと…。

だんだん、自分が悪いような気持ちになっていった。

そして、これで最後だと、隣人に誤配達の確認に行ったのだ。


アイソンの電話番号を見つけ出し、なんとかつながったが、カタコトの日本語で喋る外国人の対応が、「警察でもなんでもどうぞ」と冷めた口調だったことも、円城の気持ちを逆なでしていた。


そして事件は起こり、判決が下った。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

冤罪判決第2章・・・司法の崩落 138億年から来た人間 @onmyoudou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ