第33話 転生JKミユキ Ⅳ
「ミユキちゃん、今日は暇かな?」
「はい、暇ですがどうかされましたか?」
「せっかく同じ転生者なんだから、どっか練り歩こうよ」
「良い気分転換になりそうなので行きます」
シローナに剥かれてアラレもない姿に変貌していたらしいのだが、俺は聴覚を最大限に駆使して聞き耳を立てていただけで何も見ていない。正直言って後悔していたので、散歩と称してショッピングデートに行くことにした。
「こんな暑いのに何でマントなんか着てるんだよ」
「いつ敵が襲ってきても良いように万全の体制を整えてるんですよ」
「それは分かるが、たまには解放的な服装に着替えてもいいんじゃないか?」
「考えてみます」
夏なのに冒険者の格好してるもんだからつい気になっちゃって、制服とか着せてあげたいじゃん。美少女大好きな俺からしたら、元ピチピチJKの制服姿が見たいってのもあるんだけどさ。
「南の方角にオシャレな服が売ってる店知ってるから行こうよ」
「最近服とか買ってないので見てみたいです」
「了解。じゃあ行こうか」
……。
何だか後ろから付けてくる騎士がいるんだけど、アレでバレてないとか思ってないよな。ゴッツイ鎧をガシャガシャしてたらまず気付くからな。
ミユキを護衛するために後をつけているのだが、勇者である俺を信用出来ないらしい。密会終了後にあんな恍惚とした顔で出てきたら心配するのは分かる。
俺のせいじゃないがな。
「ミユキ、後ろの騎士何とかなんないの? 休日なんだからさ」
「彼は護衛が仕事ですから、仕方ありませんよ」
「俺がいれば一応護衛にはなってる気がしなくもないだろ」
騎士に背後を付けられながら、しばらく歩いて大型のショッピングモールっぽい建物へと向かった。内部の構造は熟知しているので問題はない。
二階にある衣服売り場には、ヒロインに好きな衣装を着せて楽しむコンテンツが存在する。リアル世界では、画像をダウンロードしてスマホに転送することだってできる。普段同じ格好しかしない彼女たちの違った姿が見れるのだ。
「ここが婦人服売り場だぞ」
「異世界にも色んな種類が置いてありますね」
ミユキは転生者なので、元々のゲームには一切登場していない。初めて着せ替えを見ることになるから新鮮なんだ。
「まずは久しぶりに学生服でも試着してみなよ」
「はい。ワイシャツとブレザーですかね」
「ブレザーは暑苦しいからいらないよ」
俺は自分の好みの制服を選んであげた。半袖のワイシャツに赤いリボン、紺のスカートの一般的な制服だ。たまには生の女子高生を間近で拝むのも乙な話である。
「では試着室で着替えますので少し待ってて下さい」
試着室の前に陣取って座る俺。カーテンの下に隙間が空いてるので、着替えシーンを妄想しながら待機する。
「少しワイシャツがキツイですね」
「そう? ミユキに合いそうなサイズを選んだつもりなんだけど」
ワザと小さめなワイシャツを選んだから当たり前である。意外とおっぱいデカいからムチムチ感を強調させるためだ。
「スカートも短いです」
ボトムズを脱いだから、予想ではパンツ一丁なんだろう。足先だけしか見えないから全く面白くもないが。
「今時の女子高生はみんな短くしてるんだから大丈夫だよ」
「私ちょっと恥ずかしいです」
「俺と騎士しか見てないから!」
しばらくもぞもぞしていたが、ようやく納得したのかカーテンを開けて披露してくれた。
「わっ、に、似合ってるじゃん!」
「そうでしょうか……本当にピチピチ過ぎて開放感ないですけどね」
少々攻め過ぎた感は否めないけど、このくらいおっぱいが強調された方が可愛いだろう。リボンで谷間は見えないが、清楚な感じが前面に出ていて新鮮だ。
後ろでは騎士が狼狽えているがどうしたのか。まさかとは思うが、ミユキの制服姿に見惚れているんじゃないだろうな。
「ちょっと勇者様、あまり下から覗くのはやめてください」
スカートが結構短いので、少しかがんでたらバレてしまったか。
「流石は現役女子高生だね。めちゃくちゃ可愛らしいと思うよ!」
「ありがとうございます。嬉しいです」
女の子は定期的に褒めてあげるのが大事だからな。可愛いって言われて喜ばない女子はいないはず。
「じゃあ次の服いってみよっか!」
「はい! 色々試してみましょう」
少しずつテンションが高まってきたかな。この調子で少しずつ露出度の高い服を着せていくとしよう。
「この組み合わせでいこうよ。キャミワンピースに黒系のボレロを上に着るとか」
「シローナさんが着てる服に似てますね……」
「うん。アイツは少し攻め過ぎだけどな」
肌の露出が多いので戸惑ってはいたが、俺のお願いを了承して試着室に再び入る。
「私キャミソールって着たことないんですが、コレって全部脱がないとダメですか?」
俺に聞かれても困るんだが!
シローナは直で着てた気がするけど……。
「うん。全部だよ。ぜーんぶいっちゃおっか!」
ふと後ろを振り返ってみると、騎士が鼻血を出しながら倒れ込んでいた。この程度で欲情するとは修行が足りないな。
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