第二十一話 思惑
同時に、使用人たちも精査され、少しでも怪しいところがあれば異動させられた。
「誰の伝手でここに下働きに入ったか、調べてみたよ」
「誰の伝手でしたか?」
「……全く、分かりやすいな」と帝が言う。
「
伊吹が言うと「なかなか難しいんだ」と
「全員、かつて
帝が言い、
月姫は、〔
ああ、もどかしい!
と月姫は思う。
だけど、ここで〔
もどかしいけれど。
だけど。
月姫は、
彼らがいれば、きっとなんとかなると。
「月姫。ともかく、引き続き身辺には気をつけよ」
「はい、お兄さま」
そう言えば。
どういうつもりなのかしら?
月姫には
文には、月姫を心配する言葉が連なっていた。
……でも、
どうしてそのような文をあたしに送るのかしら?
「全く、何もかもうまくいかんでないか! 呪術の人形はすぐに見つけられ、解呪され、そしてうまく使用人として入り込んでいた輩も追い出されたわ! いったいどうしてこんなにうまくいかんのだ!」
それは月姫のところにまで呪術の人形を仕込むからですよ。
あれが引き金となって、警備が強くなったし、仕込んだ人間を探し出す結果となった。
……だから、反対したのに。
意味がないと。むしろ、悪い方向に向くと。
雅為ははあと小さくため息をついた。
全くこのオヤジはどうしようもない。
「父上、しかし、悪意は伝わったから、よいではないですか」
「何⁉」
「十分、混乱させることは出来ましたよ」
そうだ、そう考えるしかない。
「だが、この後はどうする?」
「それは、ですね」
月姫を追い出し、ひいては
「なんじゃ。早く言うてみろ」
「噂を使いましょう」
「噂?」
「そうです。この世は噂で左右出来ますよ」
くくくくと
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます