二章 桂城帝即位の礼の夜に
第三話 十八歳の新帝
父である先帝
即位の礼が粛々と行われる中、左大臣であり、伯父でもある
冠をかぶり
今度は、右大臣家の血筋である大納言の
……全く、頭が痛い。
さて、どうしたものか。
即位の礼の中心儀式である、即位礼正殿の儀も終わった。
全ては滞りなく進み、若く美しい
後は一代に一度の
五穀豊穣を感謝し、その継続を祈る
「月が」
誰かの声がして、
「月の光が、落ちてくる!」
藍色の空に浮かぶ、金色の月。
その月から、光が垂れ、それは一本の光の筋となり、
「……美しい……」
思わず
「これは
いつの間にか
「即位の礼の日の夜に、このような美しいものが
「……そうだな」
その様子を見て、
「
「
「
孝真が鋭く言った。
「大丈夫だ、何ともない。……不思議な光だ。温かく、満たされる気持ちになる……」
その光は月光のようで、そして金色と白銀の光の粒を撒き散らし、皆、そのまばゆさに圧倒された。
しばらく光の波動は続いた。
そして、美しい月光の波が収まったとき、
それは猫の子ほど大きさの赤子だった。
「……これは……⁉」
「
「……姫ですね。月の光から現れた、月光る姫……! 皆のもの!
辺り一面歓声が響き渡った。
その、
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