第二話 第一階層の管理者
世界は、
第一階層は神のいる
この世の生き物は全て、死んだら魂となり一旦
第一階層の人々は管理者と呼ばれ、老いもなく病もなく、また寿命というには気の遠くなるほどの長い時間を生きた。そうして、変化のない静寂の中で世界中の魂の管理を行っているのである。
第一階層の住人に「死」の概念は希薄で、魂の器であるところの肉体が機能不全に陥ると、自ら魂の輪廻を行い肉体の器を用意し、第一階層に再び生まれていた。
つまり、第一階層の住人はずっと、第一階層のままなのである。
第一階層では、男女が番になって命が生まれるのではない。第一階層の、「生まれ出る場」に出現するのである。赤子として出現し
魂の管理者たる第一階層の住人は、転生後の行き先を選ぶことが出来る。ほとんどのものは同じ第一階層を選ぶが、稀に他の階層へ行くものもいた。その場合、欠員が出るので、別の階層の魂が第一階層に来ることになる。
あーあ、下位階層に落ちるなんて、ほんとついてない。
光りの球体は不思議な空間で、居心地は悪くなかった。ただ、下位階層に落ちるのが憂鬱なだけだった。
第七階層って、人間世界よね。
野蛮だった気がする! ああ、もうせっかく第一階層の管理者になれたのになあ。
つまんない。
魂の管理をし、神のいる
もっとも、あたし、第一階層に出現する前は、第一階層じゃなくて、下位階層に住んでいたらしいんだけどね。――全然覚えてない。あたし、どこに住んでいて、どんなふうに生きたのだろう?
第一階層から第一階層への転生は記憶が引き継がれるのに、ほんと、ずるいよね!
……あたし、大丈夫かなあ。第七階層へ行って。
『
えー、めんどくさそう。
『なお、転生の形態をとるので、第七階層に落ちたとき、お前は赤子の姿になる』
えっ! やだ! どういうこと⁉ 死んじゃったらどうすんの!
――まあ、死んでも魂が
『任務のため、記憶はそのまま維持出来る』
記憶なかったら、任務出来ないよねえ。
『それから、ギフトとして、異能力[
やった!
[
『なお、第七階層と第一階層は月を中継地点として通信することにする』
はいはーい、了解です!
眩しい……!
そして、次に目を覚ましたとき、
……ここが第七階層?
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