女王
……王国から来た有力者の息子で、幼少の
ずっと本の虫で学問を、特に
それで自ら使者になったそうです。
何事にも積極的で物事への
もちろん、健康状態に問題はありません。医師からも、
女王は、手紙を
手紙は他にも
「
アマゾーン国の女王は、毛皮を張った
“血の
アマゾーンたちの間でそう呼ばれる、特有の問題がある。
アマゾーンの世界では、男児の出生率が低く男性が希少ゆえに、多数の女性が少数の男性を共有する形で子孫を残していた。
すると、血の偏り、つまり血縁者が増え、血が濃くなることによる
生まれる子供は減り、生まれても育つのが
そこで、周辺の国々から男性を連れて来ることで、新しい血を入れるという
ところが、アマゾーンの男に
アマゾーンの世界では、男は神である。
アマゾーンの建国神話に
正しくは神々から
そんな特別な存在を差し置いて、
アマゾーンの世界では、男は
アマゾーンの国では男が産まれると、必ず専用の住居で育てられる。
男たちが、快適な環境で不自由なく暮らせるよう彼女たちは、限られた労力と財産を、男たちの
余所者を、同じ
対する反論は、そもそも人類を救ったのは、神々から授けられた、つまり外の世界から連れてこられた男なのだから、我々が外から男を迎えるのは神々の
男女が接触する機会は制限され、村の男性への神格化はさらに強められた。家族すら、会うのが困難な地域まであるという。
そんなやり方に、不満を持つ者は
やがて、各地の村で反乱が起こる。
神話のように再生しよう、神聖な祭りで女たちが男たちの所へ向かうように。
今度は私たちが、
私たちは、自由になるんだ!
私たちは、自由だ!
作者不明のこの歌は
かくして新天地を求めて女たちは、都を目指すようになった。
女王のもとに、手紙が大量に届くようになったのも、この
「新たな男を求めるために、男の世話になるとは、皮肉なものだな」
女王は、手紙をひとつひとつ
手紙の内容は、国の繁栄にふさわしい男性を紹介するものだった。
アマゾーンの世界における
村同士で交渉が成立すれば、
交流相手に、息子を紹介するのは珍しい事ではなかったが、“血の偏り”でそれも
なので、彼女たちが血縁者のいない他の地域に
しかし、この縁談には、別な意味もある。
……神々に愛されし我が弟が、
別な手紙を読んだ女王は、顔をしかめた。
「男を大事にするのは、利用するためか?」
しかも弟を……
婚姻とて、アマゾーンの世界なら、繁栄の手段に
それに、聖なる男を
今や都は、全国の村から来た女たちで、
村の男を、都のめぼしい相手と婚姻を結ばせ、何らかの謝礼を受け取る。相手も、血縁のない男が手に入る。そういう形で都の者と
女たちの計画は、実に抜け目がないものだった。
女王は、そう考えていた。
女王が、山のように積まれた利己的な手紙に
村の女たちが紹介するのは
アマゾーン国が
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