女戦士
「長の無礼を、お許しください」
若い女は旅人に歩み寄ると、頭を下げた。
「
旅人は、少し戸惑いながら尋ねた。
というのも、今まで見てきた女たちは
例外と言えば、村の門番が、腰に剣を下げていることだけだった。
ところが、この女はこれから
俗説通りの
「
女は長の孫娘で、これからアマゾーン国の女王のもとに向かうという。
「祖母は
「いえ、私こそ
「いいえ、おかげで決心がつきました。私たちは村に閉じこもるのではなく、外に
そう言うと孫娘は、家が立ち並ぶ方に向き直った。
「みんなも、そう思うわよね!」
すると、家々の裏からこっそり様子を見ていた何人もの女たちが、おずおずと顔を出した。
「長のことはもう、心配しなくていいわ。今後この村を治めるのは、母になるでしょう。私たちは
孫娘の言葉に、女たちの表情が晴れる。
と
周囲から歓声が
「殿方、貴方を都にお連れしたいのです!」
「私を…ですか!?」
「都には、
(これは、アマゾーン国の都に乗り込む
これを
アマゾーンの住む地域は、
彼女たちについては、まだ未知な部分が多い。
それにしても、他の国々に先を
「はい!
旅人が孫娘の手を取ると、女たちはどよめいて、それからますます喜んだ。
「私たちの恩寵だ!」
「恩寵は神々から
女たちは急に静かになって、
「殿方は、私が責任を持ってお守りします」
「ありがとう」
二人は肩を
「実は、お願いがあります」
「何でしょうか?」
「これから、私を迎えに従者が来ます。都に行く前に、会ってこれまでの
「わかりました。村の入り口には、旅の
門の前には、孫娘と変わらぬ
「殿方、さっきは、すまなかった」
門番の女が、二人に駆け寄ってきた。
「まさか、村の外から男が来るなんて信じられなくてな、目を疑ったよ」
門番は頭を
「それに、うっかり村に入れたら、面倒なことになりそうでな…。いやー、本当に
「母は、祖母を説得するために、貴方を会わせたのです。祖母は外の文化には、とても興味を持っていましたから」
孫娘は、門番を
「しかし、祖母は村の男を守ることばかりに
「男と会うために、いちいち村の許可なんて取ってられるかよ!」
二人が振り返ると、女たちがいた。女たちは二人を追って、門の周りに集まったのだ。
「私たちは、自由になるんだ!」
女たちは、
やがて日が
「村のことは、母と
孫娘は、女たちに見送られながら、女戦士たちと共に都を目指して出発した。
「若さま、本当に行かれるのですか?」
「なに、心配するには
彼女たちの
「そうですか…なら、ここでお別れですね」
「良い知らせを、待っていてくれ」
旅人は、彼女たちのもとへ去って行った。
従者は王国へ帰るべく、馬の向きを変えた。
アマゾーンに比べれば
「若さま…」
どうかお元気で!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます