第4話 レタスたちの訓練
「いつものように仕事をして、いつものようにスマホを見て、いつものようにしゃべる。そんな毎日を繰り返しているだけで、人生が変わるとでも思ってんのか」
コーギーが突然真人間みたいなことを言った。
「だ、だからって、カップルの邪魔をするなんて、変だと思いますけど……」
「お前はわかっていない。何があっても、あたかも何もなかったかのように自分たちの世界に浸っているのが恋愛だ」
……どういうこと?
「お前に恋愛を見せてやったのだ」
「はあ? 私のため? 頼んでなんかないんですけど!」
「次は高級デパートの野菜売り場だ。レタスとサニーレタスの違いもわからんようなプロ意識に欠ける店員を粛正する」
「ただのクレーマーじゃん!」
「言いたいことも言えない世の中じゃ、言わない自分になるのは仕方がないとでも?」
「なんていうか、言いたいことわかんないわけじゃないんですけど、極端なんですよね!」
「まずついてこい。痛い目に遭いたくなければ」
コーギーはアスファルトの地面を、バットでこつこつと鳴らした。ただの脅迫じゃん……。
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