第3話 象は忘れない

 ランパブが見える交差点が見つかり、私たちはなぜかそこに張り込みをした。


 白線を踏まないようにしている人なんていなさそうだ。


「白線は、真冬になると凍っているからな。気をつけるように」


 え? 今のセリフ、私に言ったの? どういう関係なの私たち。先生と生徒? っていうか、私地元だからその話今更なんだけど。


 コーギー(敬称略)は時々スクッと立ち上がり、手を繋いで歩くカップルに向かって歩き、真ん中をわざわざ通ろうとする。


 あるいは、談笑しているカップルを見つけると、自撮りを撮るフリをしながら近づき、映り込まないように気を遣ったカップルの方が移動するように仕向ける。


 何やってんだこの人。


 このままだと私も仲間だと思われる。逃げなきゃ。


「あの……すみません、ちょっと体調が悪くなってきて……。今日はもう帰りますね……」


 私はコーギーに話しかけた。


 コーギーは私をじっと見つめた。


「狂気とはすなわち同じことを繰り返し、違う結果を期待することである」


 アインシュタインの格言。


 ……なんだろう、なんかこの展開、どこかで見たような……


 ああ、思い出した。


 夢を叶えるゾ(以下自主規制

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