第2話 電子媒体と紙媒体
最近は随分と便利になってきた。データはどんどん圧縮され、小型化かつ軽量化。今や紙を使った書類は時代の波に取り残されつつあるのかもしれない。
そんな中、本。書籍に関してもデータによる電子化が進んできている。一つの媒体で多くの作品を読むことが出来るのは、きっと良いことなんだろう。目的のページを直ぐに見つけることが出来る。付箋の機能だってあるし文字を大きくすることだって出来る。ものによっては音読すらしてくれる。
だがここで私は言いたい。断然紙の方が良いと。
ここ最近は特にそう思う。
と言うのも、昔に比べて最近は特に本を読めなくなってきた。私は数ページを開くと眠くなるのだ。どんなに話の内容が気になっても頭が重くなり、その数ページ先には意識を手放してしまう。勿論、ずっとではないものの本を読むのは随分と遅くなってしまった。
ただ、紙面を自分で捲った内容はしっかりと頭に入っている。これが、電子書籍だと何だか残らないのに。きっと私にはさらっと流れてしまう文字や物語は頭に残りにくいようだ。
だから一枚ずつ紙を捲り、指で文字をおって、情景想像する紙の本は一つの世界を閉じ込めたものと言ってもいいと思っている。
更に、私は形から入る人間である。
レトロなブックカバーと拘りの付箋。本を読むのにお供になる好きなフレーバーティーとティーカップ。静かな音楽をバックに紙を捲る音が耳に残る。
更に紙の本に、自分の読み癖が付くのも好きなのだ。よく読み返したページに残る跡。時間が過ぎ、色褪せた紙の色。インクの匂いと物語。本棚に並ぶ背の異なるタイトルは、本達の名刺のように感じる。
私はこれが好きなのだ。まぁ、数ページで寝てしまうのだが。
だから電子では味わえない感覚を得られる紙媒体が私は好きなのだ。
自分で書けと言われると電子媒体だが、読むのは断然紙がいい。
紙を捲り。ふわっと物語の匂いがする。
そんな紙がいいのだ。
了
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