自撮りタイム(聖羅・美藍)
「
帰宅した
四月になり、
特に
とにかく、
「……ちょっと小さい、かも」
ひとまず衣装を着てみたは良いものの、少し小さかったようで胸が少しきつくて苦しい。が、鏡に映る自分の姿は、男の子を見惚れさせるのには十分だろう。
「これなら……」
ベッドの上にスマホを置き、上から覗き込むように写真を撮る。想像するシチュエーションは、
少々自分の欲望が溢れてしまったけど……。
「ふふ……♡」
「っ……! 返信きた……!」
数分後、通知の届いたスマホを慌てて手に取り、
「っ~~♡」
そんな簡単な返事を見て、ボフッと枕に顔を埋めて悶えてしまう。
それと同時に、『もっと見てほしい』と思うのは、きっと獣人として本能とは別の感情だろう。
「こんなのはどうかな……」
仰向けに寝転び、わざと着崩して一枚撮影。
胸元を指で引き下げ、さらに一枚。
「ちょっと見えすぎてるかな……でも、
お腹や谷間がガッツリ強調された写真を選択し、悩むこと数秒。送信ボタンを押すと、10秒ほどで既読が付き、途端にカァッと頬が熱くなる。
「……これ、
下着が見えないギリギリを攻めてみたり、むしろ背中をガッツリ見せてみたり……。
もはや最初のチアガール衣装とは関係なくなってしまったけど、『
♢♢♢♢
「ハルがチアガール好きだったなんて……まぁ、ハルなら好きよね、これ……」
自室でチアガール衣装を着た
ちょっと動いただけですぐに中で見えそうな短いスカートも、全く隠す気がないノースリーブの袖も、なかなかの性癖を持っているハルの大好物だろう。
しかし、そもそもこれは中にインナーやスパッツを着た上で着用するもので、下着の上からそのまま着るなんて、もはやいかがわしいお店のコスプレにしか……
……一度、ハルの立場になって考えてみてはどうだろうか?
もし幼馴染みからちょっとエッチなコスプレ写真が送られてきたら……
頭の中にハルの姿を想像した
自分ではなく、チア部の女子達を眺めて鼻の下を伸ばしていたハルの姿を思い出し、ムカついて勢いのまま写真を撮った。
誰が見ても、『誘ってるだろ』としか思えないほど挑発的な感じで。
もちろん、ハルが好きな身体の部位もバッチリ写っている。
「私が隣に居るのに他の女の子を眺めてるなんてあり得ないわよね……ハルは私だけ見ていればいいのよ!」
そしてそのまま、写真をハルに送りつけた。
ハルの反応がどうあれ、どうせ
「ってことは、普通に衣装を着て写真撮っただけじゃダメじゃない……?」
それでもなお自分に視線を向けさせるには……
「これはどうかしら……」
ポーズをとり、下から見上げるような構図で撮影。
……スカートがめくれて下着が見えちゃってる……
流石にそれを送るのは躊躇われるので、今度は上半身にズームしてもう一枚。
「ん~……ハル的には腋はマストなんだけど……しっかり見せる感じじゃなくてチラ見せするのもいいかしら?」
逆にパーカーを着て隙間からチラリと覗くのを演出してみたり、脱ぎかけの状態でギリギリ隠れている姿を撮ってみたり……
そして撮影した何枚もの写真をハルにまとめて送信する。
「これでどうかしら。ハル、絶対あたしのことを見てよね」
写真の感想を心待ちにしながら、
そんな風に妄想していた
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