ヘビの喉はすごすぎる
ようやくの思いで家を出た俺達は、学校に行く前にある場所を訪れていた。それは、
今朝、
気温によって体調が左右されるから、やっぱりヘビは大変だ。
インターホンをならし、しばらく。
玄関を開けて出てきたのは、かなり着込んだ
「おはよう、
「おはよう、ハル……今日起こしに行けなくてごめんね?」
「いや、大丈夫だよ。急に寒くなったしね、動ける?」
「うん、しっかりお風呂はいったから、今は十分温かいわよ、ほら」
「ね?」
「本当だ。でも、身体冷やさないように気を付けなよ?」
「ん……あれ?」
「どうした?」
「……ハルの手から、
「えっ、いやっ———」
「ふふん、お兄は
「なっ……何したのハル!?」
これでもかとドヤ顔を浮かべた
あまりの勢いに気圧されたのか、
「いや、何もしてな———」
「
「言い方ぁっ!」
「指がすごかったって何!? ねぇハル!?」
「違っ……そういうのはしてなくてっ!」
「……まぁ、ちょっと
「指を舐め———ハル、それ本当?」
「うっ……本当です……」
「ずるい……
「私は右手の親指、
「ふぅん……ねぇハル?」
「ひぃっ」
ガシッと俺の手を掴んだ
縦に割れている瞳孔がキュッと細くなり、輝くような瞳に俺の姿が映っている。
……ちょっと怖い。
そんな
「じゃああたしは人差し指と中指ね」
「えっ———ぅおおおっ!?」
ずるぅっ! っと、俺の二本の指が一気に根元まで
しかも、
「ちょっ、
「んぅっ、んっ♡」
「やめっ、んひっ!」
彼女の口の隙間から出てきた舌が、手のひらを這って手首まで絡みついてくる。ぞわぞわとした感覚が背筋に走り、俺は思わず変な声を上げてしまった。
しばらく俺の指を楽しんでいた
「どお、ハル? あたしは
「うっ……いやっ……」
こんなのを見せられたら、想像してしまうのは男の性だ。触った感じ、
後ろからものすごいプレッシャーを感じるんだけどね。
「お兄……」
「
「違っ……これは仕方がないと言うか……!」
「……ふふっ……♡」
俺が
朝からそんな風に遊んでいれば当然時間が過ぎていくわけで。
俺達が学校に向けて出発できた時には、急がなければ遅刻するという時間に差し掛かっていたのであった。
学校へ向かう道中、
「
「……ううん、何でもない」
(ずっと後ろを着いてくる熱源がある気がするんだけど……気のせいかな……)
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