四大美女、集結!
始業式も終わり、帰りのHRが終わった頃。多くの生徒が昇降口へと向かっていくなか、逆に教室へと向かう生徒の姿があった。
可愛らしく結んだツインテールを揺らし、小さくスキップするのは、愛しの
彼女の首に着けられたチョーカーと、ハート型のチャームがキラリと光を反射する。
無意識に顔を綻ばせる様子は彼女の魅力をさらに押し上げており、すれ違う男子生徒が皆振り返り見惚れるほどであった。
そんな彼女はとある教室の前で足を止めると、中を見渡し、愛しの
「来たよ、お兄!」
「
「んーん、私が来たかったから……♪︎」
そう言ってはにかむ
中学の卒業&高校入学で、俺から何か贈ろうと話したとき、
どうも
「おー、
「あっ、先輩。バスケの時以来ですね」
「なにっ!? リスちゃんの妹だと!?」
2年生の教室まで来た新入生を物珍しそうに眺めていたクラスメイト達は、彼女が俺の妹だと知って驚いた様子で声を上げた。
「かっっっっっわ……!? えっ、マジ? お前こんな可愛い妹がいたの!?」
「わ~、本当に可愛い……スタイル良っ!」
「確かに目元とか似てるかも~」
「えへへ……」
基本的に物怖じしない
「はじめまして、
キザッたらしい仕草で髪を掻き上げながら、
……可愛い感じの女子にはこうして次々と声をかける奴だから、この光景も見慣れたもので……クラスメイトも『またやってるよ……』と呆れた様子で眺めている。
「目の前で妹をナンパするの止めてくれない?」
「良いだろ別に、
「うーん……なんだか胡散臭そうなのでお断りしますね!」
「ぅぐっ」
「フラれやがったww」
「そりゃそうだろ、
「いや、でもまじで可愛いな……ついに三大美女が四大美女になるか?」
「
「
「中途半端に返事をしても変な風にとらえられるし? だったらハッキリとチャンスはないって伝えてあげた方が親切でしょ」
「おぉ、手厳しい……」
「これは今まで散々コクられまくった経験があるな……」
「このルックスとスタイルならそうでしょ……」
「くっ……じゃあどんな男ならいいんだ!?」
「どんなって言われても……」
チラッとこちらを見た
「……せめて、お兄を越えるぐらいの魅力がないと」
「くっそぉ! また
「
「マジ? 三大美女の内2人と密着しながら、それに匹敵する可愛さの妹までも……?」
「リアルハーレムじゃねぇか」
「いいぞ、言ってやれ!」
「美少女を独り占めして胡座をかいてるリア充を許すな!」
「
「
「
「えっ」
「えっ」
「アッ────!」
「ホモぉ……」
「激熱展開キタァァァッ!」
「それは聞き捨てならないわ」
「ちょっと! ハルはノーマルだから巻き込まないでよね!」
「えっ、ちょっ……何この展開」
「嫁キタァァァッ!」
「まさか
「いいじゃねぇか、
「春空×翔貴? 翔貴×春空?」
「どちらも大好物」
……いや、本当にどうしてこうなった。
その時だった。
「新学期早々騒ぎを起こすとは感心しないな、後藤
快刀乱麻を断つかのような、凛とした声が通り抜ける。シンと静まり返るこの場に響く、シューズが廊下を打つ音。
男女関わらず見惚れるほど凛とした立ち姿の彼女は、この学校で最も有名な人物だった。
皆の視線の先に現れたのは、生徒会長の
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