この変態っ! ……あたしが受け止めてあげるわよ……
「早く起きなさい、ハル!」
「ぐぇっ……!」
翌朝、突如として響いた大声と腹に受けた衝撃で、俺の意識は急浮上する。この適度な重さと熱い体温は……
「
「おはよう、ハル。早速だけど、この状況を説明しなさい」
「状況……? って———」
そして当の
いや、マジでどういう状況?
「俺にも何が何だか分からないんだけど……」
「……まぁ、ハルが寝てるところに二人が来て、隣に潜り込んだってところかしら。ほら、
「んっ……」
「あっ……
眠たげな眼を擦った
「えっ……な、なんで
「なんでって……
「あっ……そうだった、私もお兄の隣で二度寝しちゃって……」
「まったく……あたしが来なかったら、みんな揃って寝坊するところだったわね」
呆れた表情の
「ほら、二人とも早く離れなさい」
「んっ……寒いからもっとこのままがいい」
「ちょっ……!?」
「なっ……!」
腕に感じる、柔らかく暖かい感触。
「ゆ、
「せ、
「んっ……分かった。でも、代わりにちょっとだけ撫でて……?」
少し不満そうに俺の腕を放した
昨日と違ってベストの上からとはいえ、
「わ、分かったから……これで満足……?」
「♪」
お腹をゆっくり撫でると、
「お兄もっ! なんで普通に撫でてるのよ!」
「なんか
「なんでそんなことを知って……まさか、実行済み!?」
「ん……昨日、蕩けるまで撫でて貰ったから……♡」
「なっ……!? 今すぐお兄から離れてください!
牙を剥き、ガルルルル……と威嚇する
「
「あっ——あれだけじゃ普通直らないでしょっ……!」
「そうか……じゃあ直るまでしてやらないとな?」
「っ……♡ べ、別にやればいいけど……? あんまり私をイヌ扱いするなら、お兄も痛い目見せてやるんだからっ……♡」
「……ハル、あんた二人に何したの?」
「えっ……?」
少し引き気味な声で、
「
「い、いや、別に……?」
「そんな分かりやすい嘘言わなくても……」
「いや、本当に!
「今の瞬間、体温が0.08℃ぐらい上がったわよ。ハルって嘘つくとき身体が熱くなるから分かりやすいわね?」
「精密機械かよ! もう誤差だろそれ!」
な、なんてことだ……
「さぁハル、観念して洗いざらい話しなさい!」
「
キッと俺を睨みつける
そんな
「っ……!」
数秒後、ただでさえ大きい
かと思えばキュゥッと瞳孔が狭まり、困ったように眉を八の字に歪める。その頬は、真っ赤に染まっていた。
「それ、本当……?」
「えぇ、実際にされたもの」
「っ……ハルの変態ぃ……」
「えっ、ちょっ、何言ったの
変なこと言ってるんじゃないよな……?
「そ、それならあたしも応えてあげなきゃダメね……。分かったわ……任せて、ハル。あんたが暴走しないように、あたしが全部受け止めてあげるわっ」
しばらく目を伏せて悩んでいた様子だった
いや、ホントに
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