浮気……?
「……」
「なぁに、ハル。珍しく考え事しちゃって」
翌日の朝、俺は
ネコとの触れ合い方の予習・復習は完璧(のつもり)だけど、問題はどうやってその状況に持ち込むかだ。
流石に学校で撫でたりなんてできるわけないし、家に誘ったとしても……触れるために家に誘うなんて、
だからといって、『家にお邪魔していい?』なんて厚かましいし……
「いや、ちょっと
「ふぅん……」
スゥッと
あっ、これまた地雷踏んだか?
「私と一緒に居るっていうのに、他の女の子のことを考えてるなんて……」
「いや、違っ」
「ハルが
「ご、ごめん……」
「ま、ハルが
「っ……」
宝石のように綺麗な瞳をわずかに細め、決して気後れしない笑みを見せる。
強い、とても強い。
ホント、優柔不断な意気地なしでごめん……。
「おはよう、
「お、おはよう、
「えっと……」
「何……?」
その次の言葉を俺が言い淀んでいると、
青く透き通った大きな瞳に俺の顔が映り、真っすぐに見つめてくる瞳に見惚れ、俺は目を逸らせなくなってしまう。
「そ、その……今日の帰り———」
「ん……ちょっと待って?」
「えっ?」
あっ、なんかデジャブ……
「
「はっ……!?」
「浮気だと……?」
「
「
「いや、
「じゃあ3人目ってことか!?」
何回目だこれ!
「う、浮気って……?」
「……
「ネコね! それ昨日ネコカフェ行ったからね!」
「私が居るのに、他の猫とイチャイチャしてたんだ……」
「ネコ……?」
「何かの隠語か?」
「えっ……リスちゃんって女の子を『子猫ちゃん』とかいうタイプ?」
「中身は実はオオカミだったってか?」
「ネコカフェだって言ってんでしょうが!」
「オオカミの匂いもするし……私の匂いが消えちゃってる……」
「えっ、あの———」
「今日、
「俺の家に……!?」
「ダメ……?」
「っ———」
———いや、これはチャンスなのでは?
そのタイミングで練習したことを発揮できれば、ワンチャン
……いや、『飼い馴らす』ってなんだよ。
別に
ふいに脳裏に浮かぶ、ネコミミと首輪を着けた
……良い、とても良い……じゃない!
クラスメイト相手にこんな妄想はヤバいな……。
「分かった……じゃあ、学校終わったら一緒に帰ろうか」
「うん……♪」
ふわっと微笑む
普通だったらここで見惚れるんだろうけど……その瞳の奥に垣間見えるのは、俺の狙う捕食者の目だ。
けど、俺もやられてばかりじゃないぞ!
この時のために練習したんだ……勝負だ、今回こそは返り討ちにしてやる!
謎のやる気を漲らせる
そして半日後、
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