モンスターテイマーへの道
それから数日経ったある日。
クラスのみんなで遊びに行ったあの日、初めて目の当たりにした彼女達の
おかげで
……簡単に言えば、俺はどう頑張っても彼女達に身体能力で勝てないということだ。
自然界ならともかく、本来なら男性が女性に体力的に勝って然るべき。けど、結果はこの通りで……
このまま今の状態に甘んじていれば、俺は本当に狩られるだけの小動物になってしまう……! だから、このままではいけないのだ!
「というわけで、
「……どうして私に聞くのですか?」
俺の問いかけに、
「いや、その……
「……まず、その言い方をやめた方がいいです。獣人の中には、獣扱いされることに嫌悪感を示す人も少なくありません」
「ぁっ……! ご、ごめん! 全然そんなつもりはなくて……」
「私は別に構いませんけど。……おそらく、
「考えが足りてなかったよ……ごめん」
「それで、
「そうなんだよ……このままだと命の危険が……」
「……喉を撫でてあげれば良いのでは?」
「ぇっ……えっ?」
「だから、喉を撫でてあげてはどうですか?」
「……それ、イヌかネコにやるやつでは……」
「
「そんな適当な……それに、男に触れられるのは嫌なんじゃないかな」
「絶対に失敗しません。必ず喜んでくれるでしょう。すぐにやってみるべきです。なんなら、毎日撫でてみてください」
「な、なんか圧が……」
急に饒舌になり、そう捲し立てる
「ところで、相手がヘビだった場合は……」
「『ヘビは懐くことはない』とは聞きますね。慣れれば手に乗ったりすることはできるらしいですけど」
「懐かないんだ。……だから
「あれは照れ隠しだろぉ……気付けぇ……」
「えっ……どうしたの
「いえ、何でもないです。ただ、ヘビが匂いや顔を覚えるのには時間がかかるようなので、根気よく慣れさせていくのが良いかと」
「なるほど、時間が……あ、でも俺と
「調教済みかよぉ……幸せになってくれぇ……」
「えっ……どうし───」
「何でもありません。それなら、あとはもう触れ合うだけですね。手に……は乗らないので、膝の上とかお腹の上に乗せてあげてください。きっとリラックスすると思いますよ」
「本当にそんな上手くいくのかなぁ……」
「まぁ……もしかしたら興奮して、セッ───
「戦いって……
「骨は拾ってあげますよ」
「最初から死ぬ前提!?」
「とにかく、やられてばかりでは相手の思う壺です。野生の世界でも、抵抗する獲物より無抵抗で弱った獲物から狙うのは必然ですから。なので、貴方の方から打って出なければなりませんよ」
「わ、分かったから……でも、いきなりはちょっとハードル高いから、まず練習を───」
「はぁぁぁ……ヘタレ……」
「えっ───」
「何でもないです。……では、貴方にこれをあげますね」
「これは……?」
「これ……貰っていいの?」
「えぇ、私は一度行きましたが、おそらくもう行かないので」
「それはまたどうして……」
「……ネコが怖がって、一匹も寄ってこなかったので……私が『オウギワシ』なのがダメでした……」
「……なんか、その……ドンマイ」
「ありがとうございます……とにかく、いきなり
「ありがとう
「お役に立てたのなら何よりです」
「お礼はまたするね!」
貰ったクーポンを財布にしまっておき、俺は教室を後にする。今日は別に予定はないし、早速行ってみようかな!
(上手くいけば、小動物に撫でられて気持ちよくなってしまう猛獣が見られる……ふふふ……)
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