獣人ハーレムvs拗らせ運動部
「ちょっ……
「そうは言ってもなぁ……
「くっ……お前らそれでも友達か!?」
「勝負の場に情など不要!」
「俺らは純粋に勝ちたいだけなんだよ!」
口々にそういう彼らは、ニヤけるのを隠しきれていない。くっ……俺はただ
しかし、ちょっと勝ち目がないんじゃないか?
バスケに参加する相手のメンバーは、身長193cmの
さらにサッカー部の
対する俺は……身長155cm。30cm近い身長差はどうしようもない。そして、
そんなフィジカルの差はもちろんのこと……
「こっちのチーム、3人しかいないんだけど?」
「誰もそっちのハーレムチームに入りたくないんじゃね?」
「くっ……」
確かに……男1人に女の子数人が寄り添うハーレムには、俺も入りたくないけど……!
「では、私がそちらに入りましょう」
「
手を挙げたのは、まさかの
「まさかの、
「普通に考えて、人数が合わなければ勝負にならないでしょう?」
「ぅっ……」
正論である。
こっち側にさらに女の子が増えるのは、ある意味
「あと一人、誰かこっちに入ってくれる人いない?」
「「「…………」」」
「……あの、俺の味方は……?」
「
俺の問いかけに、シン──と静まり返ったその場に、
「今から呼ぶのか? さすがにそれは───」
「ううん。
「……バレてしまいましたか……」
「
「お兄が遊びに行くってなると、当然
「……ってことで、ずっとついてくる熱源があったから何かと思ってたんだけど、やっぱり
「なんか色々ツッコミたいところはあるけど、今は何でもいい!
「もちろん! というか、私だけでも十分よ!
「……
腰に手を当て、ビシッ! と
「お、おい
「あれ? 言ってなかったっけ」
「言ってねぇよ! なんでこうお前は女の子に囲まれてんだよ!」
「しかも明らかに兄への好感度が高い、最高の妹じゃねぇか!」
「いや、それだけじゃねぇ……
「くそっ、やっぱりここで
「お前ら、拗らせすぎだろ……」
とにもかくにも、一応5人揃ったわけだ。
獣人ハーレムチームvs拗らせ運動部チーム、両者のプライドをかけた試合が今、始まる!
♢♢♢♢
「それじゃ、ジャンプボールからね!」
センターサークルにて向かい合う、
「ほっ」
「「っ……!」」
真上に投げ上げられるボール。それを見た二人が、タイミングを見計らって同時に飛び上がる。
当然の如く、最初のボールキープは拗らせ運動部チームである───かのように思われた。
「えっ……?」
ジャンプした
身長差などものともしない驚異的なジャンプ力で先にボールに触れたのは、
「うっそだろ……」
「ちょっ、うぉぉっ!」
彼女がボールを取り視線を上げる頃、オオカミ故の驚異的なスピードで既に相手ゴール下にまで侵入している
「くそっ!」
あまりに早い展開に、マークだとかゾーンディフェンスだとか言っている場合ではない。
とにかく一本でシュートまで行かれないようにと、パスカットを狙った
「……はっ?」
そして、見た。
出されたはずのボールが手から離れず、そのまま手首のスナップで全く違う方向へとパスが出される瞬間を。
何てことはない。
ただ彼女は、
パスの行く先───ボールを受け取った
(ちょっと待てっ……なんで俺より
それどころか、リングすら越えている。
ユキヒョウ故の瞬発力とジャンプ力では、このコートは狭かったようだ。
ドギャッ!!
その勢いのまま、
誰もが驚愕に言葉を失い、目を奪われる。
ボールが跳ねる音と、
「
闘争本能が滲む
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます