思い出作り
「なぁ
ある日の放課後、帰ろうとしていた俺の背後から肩を組んできたクラスメイトの
『お昼が豪華』と言うのは、当然
あの日から2人は毎日弁当を作ってきてくれるようになり、俺は悪いと思いながらも、そのあまりの美味しさに完全に胃袋を掴まれてしまっていた。
ただ作ってもらうばかりはあれなので、せめてこれぐらいはと、材料費は渡すようにしている。
2人とも『自分がやりたいだけだから』と言うものの、『それならもう作らなくても──』と言いかけると、おとなしく受け取ってくれた。
そんなわけで、俺は毎日彼女達お手製の弁当を食べているのだ。
「いや、まぁ……二人の好意に甘えてるだけだよ」
「羨ましすぎるだろちくしょう! この学校の
「……何その『三大美女』って」
「えっ、お前知らねぇの?」
得意気な
生徒会長の『
「なんでこう……みんな『三大○○』みたいの付けたがるの?」
「実際、この三人は明らかに
「まぁ……」
確かに
思わず言葉を失うほどに綺麗だった。
「でも、
「違和感があるって? お前それ贅沢すぎるからな! お前の存在で何人もの『美藍派』が撃沈したって言うのに、その上毎日弁当を……くそがっ!」
「
「『他のやつがアプローチしたところで靡かないから大丈夫だ』だってか? 幼馴染み様は余裕だな?」
「別にそういう意味じゃ……」
「知ってるか? お前がいつも見てる
「ところで、何か用があった?」
「あぁ……そろそろ3学期も終わるじゃん? 同じクラスになった縁ってことで、思い出作りに遊びに行こうかってメンバーを集めてんだよ。
「……何か圧が強くない……?」
「当たり前だろ! お前が来るなら
「それが目的かぁ……」
「当然! 夢見るぐらいはいいだろ?」
「……まぁ、俺も行くよ。
「頼むぜ
「そんな大袈裟な……」
「じゃあ頼んだぞ、
「オッケー」
そう話を終わらせ、
「
「あっ、
「えぇ……負けられないから」
「?? ……良く分からないけど、次は
もうすぐ
♢♢♢♢
それからしばらく経った後の休日、待ち合わせ場所の駅前には、
そんな様子を遠目に発見した俺は、
今日は『身体を動かすこともある』とのことで、
元々高身長の
「ハル、やっぱりあたしも来てよかったの? あたしクラス違うのに」
「もちろん。寧ろ、あいつらの方から
「それならいいんだけど……」
「
「……やっぱりあたしも来てよかったわ!
俺を挟んで、両側から睨み合う
「おー、来たか
「どうも。あたしも来てよかったの?」
「もちろん! みんな
「そう。それならいいのだけど」
「くっ……
「羨ましすぎんだろ
「はぁぁぁ……
「
静かに俺の隣を陣取っている
「そ、そろそろ移動するか! とりあえず最初はボウリングってことで!」
そんな男子陣の様子に気づいた
クラスメイト達の嫉妬の視線を受けながら、俺はとりあえず移動することにした。
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