猛獣に囲まれて震える小動物
「そこまでにしなさい、この発情ネコ!」
その声にハッと我に返り、ドアの方へと視線を向ける。そこには、不機嫌そうな表情の
勇ましく登場した
自身の胸と
「で、ハルはいつまで触っている気かしら?」
「ひっ! ご、ごめん!」
怖かった……とても怖かった……。眼力だけで言うと
「あれ……? 私は何を……」
「あんたもよ、
「ご、ごめんなさい……?」
「分かったら早く服を着る!」
「うん……」
「っ!?」
「ちょっ……!」
プルンッとして張りのある
あー、そうだよね。
シャツを着たまま下着は着けられないもんね。
いや、デッッッッか!?
と言うか先っぽも見え———
「見ちゃダメぇっ!」
「うわっ!?」
後ろから
♢♢♢♢
「
「ヘビは熱を見ることができるのよ。それもかなりの精度でね……あんた達がここに来るまでに通った道すら、あたしには分かるのよ」
「すごいのね……」
「幼馴染の新しい能力を知って驚いてるよ……」
「今まで使うことなかったしね。……それで、
目を吊り上げて
「
「だからって、学校でこれはやりすぎでしょ!」
「……学校じゃなければいいの……?」
「えっ……いや、そういう話じゃ———」
「
「ハルはちょっと黙ってて」
「はい、すみませんでした……」
「そういえば、
「べ、別にいいじゃない」
「じゃあ私もいい?」
「それはダメ!」
「どうして? あなた達、付き合ってるの?」
「そ、そういうわけじゃないけど……」
「ならいいじゃない」
「う~……ハルも何か言ってやって!」
「うーん……でも、確かに怖い時もあるけど、結構悪くないなって……」
「ハルのむっつりスケベ! 反芻してるんじゃないわよ!」
おっと、俺の手が勝手に
「あたしだってちゃんとあるんだから! こっちのこともちゃん見て!」
「ちょっ……!?」
ブレザーの奥に感じる、つつましくも確かな柔らかさに、俺は再び顔が熱くなり———
「———あれ?
「う、うん……今日は寒いから。……あっ、意識したらだんだん眠く……」
「わ~っ! 待って、ここで冬眠するのはまずい!」
ゆっくりと目を閉じていき、ふらふらし始めた
と、とりあえず
俺は何とか
「ごめん、
「えぇ、もちろん」
「ありがとう!
「んぅ~……」
ぐずる赤ちゃんのように声を漏らす
それから約30分後、俺達はようやく到着した。
俺の部屋に。
なんでだよ!
いや、原因は分かってるんだけどさ……。
帰り道、もう寝てるのか起きてるのかも分からない様子の
しかし、到着しても
そうして、結局俺の部屋まで連れてきたのだ。
ようやく背中を離れてベッドに寝たはいいものの、
「
「んぁ……ハルが温めてぇ……」
「えぇ……」
いや、さすがにそれは……男女が一緒に寝るなんてダメだろ。
「……じゃあ、こういうのはどう?」
「うわっ!」
突然
「ちょっ、
「こうすればもっと暖かいでしょ?♡」
「そういう問題じゃ———」
「んっ、温かぁい……♡」
仰向けに倒された俺の右腕を
2人の体温と吐息を間近に感じつつも、次第に寝息を立て始めた2人を起こすこともできず、俺は息を殺して過ごすことになった。
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