第5話 裏世界に侵入者アリ

阿波根町。住宅街。

軒先の表札には、真鍋とある。

家の中には、まったく同じ顔をした男たちが、

各々テレビを見たり、本を読んだり、トランプをやったりしていた。

その中の一人が、ふいにPCのモニターを見て声を出した。

「‘‘命の根源‘‘を奪りに来た者がいるぞ。」

「「えっ?」」

「「本当か?」」

全く同じ声で、男たちが驚きの声を上げる。

「‘‘委員会‘‘からのお達しだ。」

「誰だ?一体誰だ?」

「‘‘鴉‘‘の連中だ。」

「なるほど。な」

男はモニターから顔を上げると、携帯に手を伸ばした。

どこかに連絡をしている。

「侵入者だ。」

「…」

「見つけ出せ。そして生け捕りにするんだ。」

「…」

外では、花火の音が聞こえていた。

「今日は祭りだ。」



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