第2話 私が王族とかありえません2
みつ兄さんは、手紙に触った。
「この手紙は、国王の爺ちゃんが直筆で描いた代物なんだ。最近は、デジタル系の文章って多いよな。デジタル系だと記憶読み取るの大変なんだよなぁ……。おっと、話が逸れたな。この手紙が送付された後に、送付する予定の手紙が有るんだ。この手紙と同じ日に書かれたんだろうな。その手紙には、王位継承選に参加する5名の名が書かれている」
「5名……」
「予想は出来ていると思うが、まず国王の孫の王女
キングフーズは、お菓子を扱っている会社だ。色見社長は、創造力に長けた人で奇抜なお菓子を次々に展開している。
「もしかして……キングフーズの社長さんは創造系の力を持っているとか……」
「おう。その通りだ。小さい頃は、よくケーキとか作ってくれてたぜ。今は、忙しくてほぼ会社で家族で暮らしているみたいだけどな」
「そうなんですね……。あっあと戦闘って言うのはどういう事なんですか?」
「ああ。その手紙にはこう続けられていたんだ。以上、5名は自分の能力を活かし最後の1人になるまで戦う。強者こそが、国王になる素質があるってな」
「最後の1人って……。そんなおっかない事言う人なんですか。穏やかそうな方じゃないんですか」
「うーーーん。正直、俺もよく分からない存在なんだよな。あの爺さん。俺は、この手紙を貰った時、即座に記憶を読み取った。そして、慌てて爺さんの所に行った。爺さんは、俺が読み取ることも全て分かったような顔をしていた。だから、俺は喜四華と組む提案をした。即座に承諾されたよ。ここまでは、爺さんの手の内ってわけだ」
「手紙を続けた出そうと思えば出せたけど、出さなかった……」
「ああ……。この2枚目の手紙を出しちまったらすぐに俺たちはすぐにやられちまうってことだな。特に、能力に目覚めていない喜四華はやばかったよな。爺さんは俺に
3カ月後に2枚目の手紙を送付すると言っていた。つまり、3カ月でなんとかしろってことだな」
ん……。ちょっと待って……。私は、とあることが脳裏に浮かび青ざめた。
「私……気づいてしまったのですが……みつ兄さん。私の事を心配されて来られたと思うのですが……この手紙が送られてすぐにこちらに来られたという事は……みつ兄さんが王位継承選の参加者だという事が丸わかりなのでは……おっかない人たちですよね……。王家の人たち。刺客とか送ってきたりしません?」
「あ……いやぁ……それは……あり得るかもしれん……」
みつ兄さんの顔も青ざめる。
「どどどどうしましょう」
「とりあえず、これ食べろ。もしかしたら、すげぇー能力があるかもしれねぇ」
このゼリーを食べると私にも超能力が……。正直、こんな事に巻き込まれたくない。
でも、死罪は怖い。もしかしたら、明日から刺客がわんさか来て私の人生が終わってしまうかもしれない。そんなの絶対嫌だ。あの漫画もアニメもまだ完結していないし推しの声優さんのライブだって行ったことないし……。ここで死にたくない。私は、青色のゼリーの封を切り一気に流し込んだ。罪悪感が湧く。お母さんは、駄菓子は健康に悪そうだから絶対に食べたらダメと言っていたからだ。正直、小学生の頃は駄菓子屋に並ぶ友達が羨ましかった。だって、300円じゃあんまりお菓子買えないんだん。中学生になると食べられる分だけってルールになって嬉しかったけど……。そんな事を考えながらゼリーを飲み込んだ。ソーダ味なのか?これは……。と疑問に思いながら飲み込んだ。少しして、気だるさを感じ始めた。なんか、だるい。身体が重たい。と思ったら、一気に活力が湧き始める。これは、あれだ。胃腸炎になって点滴を打った後の感じ。気だるさから一気に活力が湧いて身体がびっくりしているそんな感覚だ。
「大丈夫か!」
「なんか、不思議な気持ちです……。うん。気持ち悪いです」
これが、私の最後の言葉だった。乗り物酔いをした感覚がしてそのまま目の前が真っ暗になったのだった。
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