松代のお出まし(涙目)

ああああ!城山が松代と俺をカップリングにしたせいで夢に出てきた!

ゴム(意味深)咥えてた!袋破ってた!あいつのアレに着けてた!

挿入(意味深)されそうになった!ああ!やめてくれ!

タチもネコもサンドイッチも凹も凸もしたくねぇんだよ!悪夢!悪夢!

なんで城山自信気に寝てる横でこんなに苦しまないといけないんだ!


「もう寝れなくなりましたね」城山が笑いを堪えている。

「昨日の買い物のせいだろ!?」

「じゃあなんでついてきたんですか、私がそういう趣味だって分かってるのに~」言われてみれば...!

「るっせ!俺は悪くない!話をした城山が悪い!」

「はい出たよ~すーぐ人の所為にする~!」俺を指差した。

「その顔殴りたい」

「怖」

「でも、夢にまで出てくるのはあり得ないんじゃない?そんなに彼とは話とかしてないじゃん?思い入れってそんなにないよね?」

「にしても、あの本は度が過ぎるってば!前立腺を両方からゴリゴリやるのは有り得ない!!!!殺される!」

「あ、もしかして...されたい♡?」

「結構です!!!!」

城山が昼ご飯作るって言って帰っていった。そしてまたインターホン。


「どちら様でーすかー...って」

「こんにちは、大瀬さん?」

.........ひ...............ひぇ...ひぇ...........................ひえっ............

松代律、37歳。左隣の人で、影が薄い。あの夢に出てきたアイツだ。


「顔、青いですよ?具合、悪いんですか?」お前に恐怖ってるんだよ!

「いいいいいいいえ、べ、べべべべ、別に????????」

「今日、一緒にお昼を食べに行きたいな~って♪」

「だだだだだだだ大丈夫でででですよ!」

「あ、よかった!じゃあ今から行きましょうか!」

「はっ、はは、はい...」

エレベーターは暖かい、でも冷たい汗は出る。寒...

彼は笑いを取らせようとしているが、俺は恐怖による作り笑いでしか反応出来なかった。

「大瀬さんって、カッコいいですよね」

「いきなりどうしたんですか」

「いやー、よく見てたんですよ、大瀬さんの事」

「え」

「ストーカーのストーカー、みたいな?」

「え?」

「はいこれ、写真コレクション」

「え??」

「いいなぁ城山さん、あのポジション交代してほしい」

「え???」

「え?」

「怖」

「何て言いました?」

「いや何も」

「あ、着きましたよ」話を変えてくれてよかった。そして着いてくれてよかった。


「何食べましょうか、」

「奢り?」

「はい♪」

「じゃあ...ペスカトーレを」

「おお、センスありますね!じゃあ同じのにしようかな」

店員呼び出しボタンを押した。

「あっ、タイミング、被っちゃいましたね!」なんとも幼い!!!!

「大瀬さんの手、あったか~い♡」惑わされるな、俺。

「髪、サラサラですね!シャンプー何使ってるんですか?」

「服、ちょっとダサいですね?あとで買い物行きましょ!」

最後の言葉はいらない。城山のあのBLを少し読ませてもらった。あのパーカー被った受けにそっくりだ!!!!

「...城山さんとはどういう関係で?」嘘を言わないと殺される!

「普通に隣人って感じですよ~...」

「それ、嘘ですよね?」ひっ

「いやいや、いや、いやいやいや?」

「城山さんとよく一緒に寝てますよね?」

「それは、城山さんの友達が推奨してきただけで...」

「それなら良いんですけど、って事、覚えておいてくださいね?」

俺は城山が好きで...松代は俺が好き...もしかして、城山を排除しようとしているのか?城山を殺すのか?引っ越させるのか?監禁するのか?

嫌だ、やめてくれ。俺の天使を殺すな...奪うな......やめて...。


「うまうま」

「ですね~」

「久しぶりに専門店行ったな...」

「今まで何食べてたんですか?」

「城山お手製の料理」あ、顔色変わった。

「ですよね、料理上手そうですよね」必死に怒り堪えてる。

手の甲、血管浮き出てる...!

「なんかデザート頼みましょうか」

「んー、僕はジェラートでいいかな」

「いいかな、ってなんだよ」

「まぁ、自分の奢りだし?」

「そーですか...じゃあ俺はパンナコッタで」

店員呼び出しボタンを押した。また被った。

「また被った!嬉しいなぁ♡」よっしゃよっしゃ、機嫌戻せた!

あの後、会計を済ませ、服を買ってもらった。優待すぎません?

「次、どこにいきましょうか?」

「疲れました...」

「あらあら、ここでおさらばですか~...」

お前は悲しそうだけどこっちは嬉しい!


「いやああああああああああああああああああああああああああああ」

俺は玄関に倒れこんだ。もう疲れた。疲れがどっと来た。

松代よ、いっそ俺を殺してくれ!

性的な事は(城山としたいから)嫌だ!殺すだけにしてくれ!

ああ、ベッドに向かわなければ...仕方ない。今日は風呂キャンしよ...

俺は玄関から寝室に移動しようと思って立ち上がった。

...背後に気配がする。

「...くん」え?

「...大瀬くん」ガシッと捕まれて動けない

「ふふふ、大瀬くん、忘・れ・物♡」

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