第11話

国王はそれからすぐに、全ての事情を理解することとなった。

なぜなら、婚約の証であるペンダントを破壊したという事を、ルルナが自慢げに周囲の人々に言って回っていたためだ…。


「…ノラン、どういうことだ?」

「申し訳ございません…。申し訳ございません…。申し訳ございません…。」


いくらでも挽回の方法はあると思っていたノラン、しかし現実に突き付けられた状況は彼が思っていた楽観的なものではなかった…。


「お前はアリシラとの婚約関係はまだ続いていると言ったよな?しかし現実はどうだ?その関係はすでにお前の勝手で解消されていて、すでにその存在は王宮の外にあるというではないか。…これは一体どんな理由があるというんだ?この私に反逆をしたいのか?」

「ま、まさかそのような事!!!」

「まさかだと?誰がどう見てもこの状況はそうだとしか思えないじゃないか。お前は国王であるこの私に逆らいたかった、だから私が手配したアリシラとの関係を一方的に切り捨てた、そうなのだろう?」


いくら否定をしようとも、すでに信頼を失ってしまっているノランに同情の余地など全くなかった。


「お前にはもう愛想が尽きた。第一王子としてこれまで様々なものをお前に授けてきたが、それももうおしまいだ。一度壊れた信頼関係は二度と蘇ることはない。お前に対して不信感を抱いたアリシラがこの王宮に戻ってくることは二度とないだろう。我々は神聖獣の力を操るという千載一遇の機会を永久に失ったわけだ。他でもないお前のせいでな」

「……」


…その後すぐに、第一王子のイスに座るノランがすべての権力を失って失墜していくこととなったのは、誰の目にも明らかな話…。

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