第7.5話 天体望遠鏡


私は昔から星が好きでね。中学校の入学祝いで天体望遠鏡を買ってもらったの。


それが今の仕事に繋がったんだから、人生ってわかんないね。


あのね、ずっと、大きな天体望遠鏡がある天文台を持つのが夢だったの。


私が小学校六年生の時に見た夢の話なんだけど。


綺麗な満天の星の下で魅力的な男の子に出会う夢。

その男の子に惚れてから、同じ夢に出てきた星が好きになって…。

馬鹿みたいな話でしょ?


もう十五年前の話だけど、未だにその男の子が私を支えてくれてる気がするの。


長いまつ毛の、男の子。後ろに見える、一等星よりも眩しい瞳。とっても優しい声でね。

「君があんまりにも綺麗だったから、つい見惚れてしまったよ。」

って、言ってくれたの。


現実で会ったことは、ないんだけどね。

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