第4話 出発前夜
その日、夜になって僕は旅の準備を始めた。幼馴染のカズシに事情を話し、協力を得て、父さんと母さんにはカズシの家に泊まりに行くと言っておいた。
持って行くカバンに何を入れるか相当悩んだが、結局
水筒、懐中電灯、地図、デジタルカメラ、望遠鏡、方位磁針、おやつをカバンに入れた。
丸一日食べ物が喉を通らなかったからか、母さんが作った夕飯がとても美味しく食べられた。
シャワーを浴びて、意味がないこともわかっているけど
一度もつけたことがない姉さんのヘアオイル?を借りてつけてみた。
もしかしたら彼女に会えるかもしれないという淡い期待からだろうか?よくわからないけれど、少しハンサムになった気持ちになれた。
ベッドサイドにカバンを置いて、眠りにつく前にもう一度思い返してみる。
だが、所詮は夢の中の出来事。一日経ってしまったせいで思い出せる内容が半分ほど消えてしまった。
忘れる前に書き出した目指す場所の夜空の景色や彼女の髪の長さ、感じた匂いや気温は思い出せても他の情報がすっぽりと抜けてしまっている。
夕飯を食べている時は、
「今夜はワクワクして眠れなかったらどうしようか?」
なんて考えていたけれど、あの魅惑の夢の記憶が半分も消えてなくなってしまったその事実に落ち込んで、案外20分ほどで深い眠りの中へと落ちていった。
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