第3話 衝動的なもの

国語も理科も体育もちっとも内容が入ってこないので、体調不良と言って早退させて貰うことにした。

考えが巡り過ぎては深く悩んで、止まって。その繰り返し。

国語の授業で出てきた教科書の登場人物と彼女を重ね、

理科の授業で出てきた冬の星座とあの夢の景色を重ね、

体育の授業で持久走をしていると遠くにいるクラスメイトの女子が彼女に見えて。

こんな事を延々と繰り返してるようじゃ、何も手につかない。

とは言っても、これは恋ではないと自分では思っている。

恋とはこんなにも苦しいものではなく、少し切なくて、でも暖かくて、幸せなものだって昨日見たアニメでも言っていたし。

それに比べて僕の今の感情はというと、頭が真っ白になって心が動かないのに

衝動的にいつか、どこかにいるかもしれない

いないかもしれない彼女を探しに行きたくて仕方ないだけ。

今頃クラスのみんなは給食を食べている頃だろうか。僕は一人ベッドで横たわって、なんとなくうずうずとした胸を押さえつけている。

押さえつけている、というか、もう押さえつけられそうになくなりつつある。

今日は金曜日。明日、明後日の2日間で出来るだけ遠くへ行こう。

学校が始まる前に、破裂してしまう前に。

この気持ちが消えてしまわないうちに。

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