第2話 思い出せる記憶
明け方に見たあの夢のせいで学校の仕度も進まない。
僕の目はあれからずっと虚ろで、ぼーっとその辺の、何もないところを見つめている。
何もないところから彼女への手がかりを探して、考え続ける。
思い出せるのは以下の通り。
「夜のはずなのに明るい星空」
「肩にかからないくらいの綺麗な黒髪」
「建造物の少ない山の中のようなひらけた場所に、変わった建物が一軒建っていた」
「お日様のような温かみのある匂い」
これらをどう使えば彼女にたどり着くのかも全く分からないけど、僕は絶対に諦められない。彼女との出会いが、僕の人生を大きく変える気がしているから。
僕はまだ小学校六年生。これからの人生を生きていくにおいて彼女が必要な気がしてならない。
朝食もろくに喉を通らないまま、僕はランドセルを背負って玄関を出た。
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