第18話

 翌朝から、さっそく子供達との闘いが始まった。

 これが初顔合わせであるが、見慣れぬ人物に戸惑うことさえなく走り回る。さらには枕を投げてよこし、ベッドで跳ね回る二人を捕まえ、着替えさせる闘いに取り掛かった。


 背丈が、私の腰辺りの兄と、兄よりやや低めの弟。

 まだまだ小さいが、制限の効かない子供は力任せに追突してくるため、しっかりと踏ん張る。


 うっかり倒れでもして自分が怪我するだけならまだしも、子供らまで巻き込むことは避けねばならない。


 二人の首根っこを捕まえ、ベッドに転がす。


 興奮で奇声を上げ続ける彼らの寝間着を、容赦なく引き剥がし着替えさせていく。


 初日が肝心なので、ここは容赦なく予定を消化するつもりだ。




 結果、第一戦は、私の勝ちである。


 着替えると嬉しそうに、私に突撃し、飛びついてくる。


 そんな二人を両脇に抱えるようにして、朝食を摂らせるべく食堂へと向かった。


 初日の付き添いで、それまで身の回りの世話をしていた使用人は、「肩の荷が下りた」と、心底胸を撫で下ろしていた。




 こうして暫くは、要所で叱りつつも、好きにさせて過ごす。


 子供達は、力の限り暴れても根を上げない私を、やがて仲間と認めてくれたようだった。

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