お屋敷での日々
第17話
◆
確信はしていたが、初めから決められていたかのように、私は招き入れられた。
「働く気はあるか」
そう旦那様が問い、あると答え、それで決まりだった。
孤児院上がりの子守には不相応なほどの、立派な部屋を割り当てられた。
幾ら無頓着な私でも、さすがに気が引け旦那様に問う。
他の使用人との仲を、多少心配したこともある。
旦那様は、「下らないことで煩わせるな」と、眉を顰めただけだ。
噂通りに、言葉は少なく、気難しい方のようだ。
「息子達の部屋が隣だ」
必要だから、この場所なのだと。
話はそれで終わった。
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