第260話
そんなカルシウムが胸にいく女性陣を前に、六神はまだ乾杯前のビールを手に取る。一気に飲み干して、青司に言った。
「じゃ、課長。ビール一杯ご馳走さまでした。俺は早く帰ってパワハラ上司の密告報告書を作成しなければならないんで」
「まあ待ちなよ六神君。君と僕との仲じゃない!」
「仲じゃない」
青司が六神の肩を組み、立たせないよう椅子に沈ませる。
六神は色々悟った。今日は研修後の懇親会があると青司に言われて来てみれば、大手企業リーマンとCAとの親睦会、いや合コンだったのだ。
ちなみに六神と青司の二人以外はやる気満々の合コンだった。
とりあえず顔だけはいい青司が最初に誘われたのだが、浮気の既成事実でも作らせて、春風に愛想をつかされるよう仕向けようと、青司が六神を騙して連れてきたのだ。
ネズミ講はいつだってぎりぎりのラインをいく不純なのだ。
「僕は普段鬼課長やってるけど、今日は身も心も天使で来てるから好きなだけ無礼講してね!」
「えーじゃあタメ口でもいいの青司くんっ?」
「オッケーオッケー。ちなみにこの子は千都世ちゃん!ちーくんとでも呼んであげてね!こらちーくんハウス!」
「「「ギャーイケメンとスパダリの絡み最強」」」
逃げようとする六神ちーくんのシャツをつかみハウスさせる青司くん。
六神はこの一連のやり取りだけで一生分の精気を使い果たした気がした。早く春風から愛を注入しなければ天に召されてしまう。
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