第259話

都内某所、海鮮バルにて。事件は東京本部にて行われた研修会の後に起こった。


 

六神はその瞬間、騙されているか、もしくは騙されているかの二択だと思った。事件は現場で起きている。




「非常に申し上げにくいんですけど朋政課長、」


「なんだい六神君、急に改まって。」


「この状況を5文字程度で説明してください。」


「『ご、め、ん、ね、まる』」



目の前にはモデル並のスタイルを誇る女性が5人並んでいる。5人も。こんな粒ぞろいの美女、5人も集合させられるのはJ.Y. Parkくらいなもんだろう。



「CAしてます。パクジアンです❥25歳でえす。」



センターを陣取るのは、髪を真ん中分けにしたノースリーブのタートルネックを着る女性。あざとく斜め35度に顔を傾けて、胸を強調するかのように手を膝に揃えて挨拶をした。ぷるぷるで薄い唇がチャームポイントらしい。



「CAってあの有名な元素記号の?」

「カルシウムは牛乳より魚からとろうね六神君。」



そんな彼女らを前にしても、この男らは通常運転だった。



六神の元素記号発言に、隣に座る青司が笑顔でつっこみを入れる。すると女性らが嬉しそうに手を叩いた。



「やだー、元素記号って!ウケる六神くん〜」

「CAって言ったらキャビンアテンダント一択ですよぉ」



「あー……まあ解釈の仕方は人によるんで。」

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