第252話
次の日の朝、朝食会場に行こうかという時に、怒ったまゆゆが私たちの部屋に滑り込んできた。
「きーてよぱるる!旭陽が昨日部屋に帰るなり寝ちゃってさあ!信じられる?!」
まゆゆがビールは控えろって言ってたけれど、池駒はなんだかんだ瓶二本空けてたもんね。ってそんな夜の事情を報告しにくるのかまゆゆ。
「寝る子は育つっていうじゃん。別に寝かしとけばいんじゃん?」
「はあ?!ちょっと六神は黙っててよ!!」
まゆゆが六神に向かって枕を投げる。ほんと散々私の身体を酷使した六神が言うことじゃないよね。
そういえばまゆゆは今回の旅行のために水着だけじゃなく、下着も買い揃えたらしい。二人の時間を楽しみにしていたのに池駒はぐーすか寝てしまったのだとか。
私たちも大概だけど、同じ会社の人間のそういう込み入った事情はあんま聞きたくないよな。
朝食はバイキングで、六神は原価の高そうなもので元をとると言って食べるものを厳選していた。
池駒はまゆゆと仲直りしたいのに、まゆゆは聞く耳を持たず。仕方なく六神と池駒、私とまゆゆに別れて朝食を取ることになった。のだが……
「ねえ、ぱるるって今でも朋政先輩とは連絡取り合ったりしてるの?」
池駒の愚痴をこぼされると思っていたら検討違いだったらしい。まゆゆが野菜キンパを手でつかみ、私に怪訝な表情を向け先輩のことを聞いてくる。
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