第246話
「だって、その一連をずっと見てたんだよ俺。しかも研究室でそういうことしてるのも知ってて。それで春風を追って今の会社入ったって。マジなストーカーじゃん。」
「……玄人のストーカー?」
「…まだプロって言ってほしい」
「プロのストーカーじゃん。」
「よし、その意気。」
プロのストーカーが足の中指を器用に舐めて、ぢゅっと音を立て吸い付いて。もうゾッとするのを振り切りすぎて、むしろ冷静さを取り戻していく私。
「き、汚いよ……」
「汚なくなんかない」
「だってわたし、20も離れた人と関係持ってて、馬鹿みたいに信じててさ…」
「汚いのは佐渡じゃん。だろ?」
「……うん。」
六神が親指を舐めて、手で優しく他の指を撫でていく。くすぐったいようで、変な気分にもなってしまうから自分の涙がどこかにいってしまった。
「……もう一つ、春風に見放されそうなことあってさ。言っていい?」
六神が、困ったように私を見つめて。足の指さえ舐めていなければかわいいと思えただろうに。
首を小さく縦に振ると、六神の瞳が綺麗に揺らいだ。
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