第234話

「またぬれてきた?」


「ん、ぬれてない」



六神が後ろから胸をいじり、反対の手が下の方に触れてきたと思ったら、浅く関節を曲げ指を入れてくる。性欲お化けというよりも、賢者タイム皆無マンか。



「ね、え。さっきおわったばっか」


「水の中で入れるとしまるらしいね」


「そんな推定の情報、いらない」


「水の中で入れるとしまる。」


「ん、断定しないで」


「しまる、しまる時、しまれば、しまれ」


「しまらない、しまりません、しまらなければ、しまらない!」


「痛かったら言って?」


「痛い」


「はやー」



ぬるいお湯の中でくっつく素肌が気持ち良すぎて。ずっと抱っこしててほしくなる。



私が六神の方を向いてぎゅっとしがみつく。


  

「ん?好きなの俺のこと」

「ん。」

「あー。IQとんだ」



私の首に吸い付いて、そこから肩に、胸に。順番に跡を残されていく。私も負けじと六神の胸あたりに吸い付いて、でも六神ほどの濃い跡はつけられなかった。 



六神は慣れてるんだよね、こういうことにも。



ね?完全に六神が優位なんだわ。



六神の方が私に溺れているようにみえても、私が常に六神を見上げている。六神のことを尊敬しているのも、有能だと認めているのも、きっと私ばっかなんだ。

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