第226話

きっと本当に就業中、まゆゆはExcelでグラフにして比較したのだろう。



私の比べる対象なんて、前の塩の六神か、今の重い六神かでしかなくて。それがあまりにも両極端すぎるからどっちが良くてどっちが悪いのかがはっきりしない。



前の六神は、私が朋政先輩とご飯に行こうが何も言ってこなかった癖に。今の六神は、自動ドアの人感センサーでも感知できないほど些細な事案にも平気で嫉妬してくる。



しかもその嫉妬している事案について、私が把握できていないと勝手に怒ってくるし。



理想を並べればキリがないけれど、淡い程度の可愛い嫉妬が一番しっくりくるというのに。

 

 

「朋政先輩と六神なら、ぱるるはどっちがイケメンだと思う?」


「え?それって顔だけの話?」


「は?顔以外も入れたら目くそ鼻くその域じゃん。」


「(本人たちいないからってぼろ糞言ってるな)」


「私だったらね~中世の中性的な顔立ちの朋政先輩かな~。」


「あんまイケメンとか考えたことなかったけど。好きになっちゃえばその人がイケメンにみえない?」


「みえない。でも旭陽はみえる。」


「池駒のこと大好きな証拠だね。」



露天風呂という外気の温度とお湯の温度がいい具合に調和しているせいかもしれない。入社してからまゆゆを初めて女の子として可愛いと思った。

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