第225話
𓂃◌𓈒𓐍
プールから上がって、まゆゆと大浴場の脱衣所に入った時だった。六神からろくでもないメッセージが入ってきたのは。
『最初のナンパ師すぐに蹴散らしにいけんくてごめ(ry。でも4人組のナンパ師はすぐに蹴散らしにいった俺、えらいね。』
は?えらいね?どう返せと?
ねえ、このやりとり電波に乗せる必要ある?同じ部屋なんだから顔見て言えばよくない?しかも肝心な謝罪が(ryって何?いつの時代の女子高生か。
プライドの高い六神が、ちゃんとこうして私をイラつかせてくるに加え、六神から送られてくる一日のメッセージ受信数は私の許容範囲を超えていた。
だって一緒にいるのにメッセージって入れるもんなの?それか迷子なの26歳六神千都世。
「まゆゆは池駒とどれだけ連絡取り合ってるの?」
「うん、一緒に旅行来てるのにメッセージは入ってこないよね。」
「ですよね。」
低めの竹の柵からは、生い茂る緑と富士山が一望できる露天風呂で、思えばまゆゆと旅行に来たのなんて初めてなのだから友人との時間も贅沢に楽しみたい。
「…でもね、明らかに一希よりはメッセージの回数も電話の回数も多いんだよね。起きたら"おはよう"だし。寝る時は"お休みなさい"だし。」
「安心だね。」
「まあ旭陽の場合、寝る時間と起きる時間がめちゃめちゃなんだけどね。」
「池駒、夜勤明け多いもんね。」
「元彼と比べるとさ、旭陽の私に対する愛の深さ?みたいなのが際立って。やっぱ男はExcelで棒グラフと円グラフにして比べないとわかんないよね。」
「うん、まゆゆのその清々しいまでの罪悪感のなさ、好きだな。」
「"比べちゃ悪いけど~"なんて前置きはね、この世に無駄な存在なのよ。」
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