第221話
「もうすぐ生理だね。」
「こわ。私でも忘れてたのに」
「キモいんじゃなくて?こわいの?」
「そうやって自覚してるのがこわいの」
どう考えたってこわいよ。だって私たち復縁してまだ一ヶ月だよ?なんで、私の生理とか覚えてるの?大体前付き合ってた時はそんな話ほとんどしてないし。ゾッとするわ。
「このレースのショーパン似合ってんじゃん」
「ん。ありがと…てかあんたが買ってくれたんじゃん」
「選んだのも俺だし当たり前か」
「やっぱきもいや」
キスをされながら、下腹をなぞられて。おへそを中止に円を描かれて。そこから肝心な部分には触れてこない。
それで下唇を甘噛されて離されると。この男は私に確認するように、胸に顔を寄せ下から上目遣いで聞いてくるのだ。
「ねえ、俺のこと好き?」
これ。非常にずるい。
復縁してからというもの、こんな六神が相次いで私の胸をきゅんと鷲づかみにくる。
「…ん。好き。」
悔しくてふてくされたように伝える私に、六神は髪を撫でて額にキスを落とす。
「もうちょい容量とボリュームアップして」
「……だ、大好き!」
「ん。かわい。」
そしてまた唇に軽くキスされて。
私、よもやこんな六神から離れられなくなるんじゃ?
どれだけキモくてもハゲてても六神千都世なら愛せる。そう水絵さんに宣言した私こそ、今まさにキモくなる通過点に立っていそうで嫌になる。
重くて甘い六神のペースに乗せられて、これが習慣化されそうで怖いのだ。
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