第220話

テント型の白いガゼボは、一応日除けのため、入口はカーテンで閉められるようになっている。一日借りるとけっこうな金額するけど、プランについていたから思う存分使いたい。



でも健全な公的施設でカップルの密室はどうなの?六神が入口をふさぐように閉めた。



「な、なにしてんの、」

「逃げられないようにしてんの。」



ガゼボの中にはリクライニングチェアが二つ並んでいて、そのうちの一つに押し倒された。



「ちょっと!こんなとこでしんじらんな、」


「信じられんない?さっき背中に指這わされて反応してたのはどこの春風ちゃんですか〜」 

 

「さいってい!知らない男の前であんなことして」


「俺しか触れないってこと分からせないと。」

 

「ならすぐ助けに来てよ!」


「なら嫌がればいいし。あそこにいる彼氏と一緒に来てるんで無理ですって言えよ?ん?」



六神が容赦なく私の脚の上に乗り、跨って唇を塞ぐ。



プールに漂う乳液の香りが鼻をつき、ふっと息を吐くタイミングで六神にそれを吸い取られた。



「縋りつけば?俺が欲しいって。」

「な、にいって。そんな女にはならないから」

「じゃあこれから沼ろっか」

「にゅまりません」



関節が等間隔に揃えられた六神の指が、首筋から胸に這っていき。ハイウエストの水着から覗くお腹を辿っていく。

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