第216話
「な、あ、あずみっ、」
「あははー水絵が普通に接客してるとか笑えるー。」
戸惑いを隠せない水絵さんが別人にみえてしょうがない。オブラートに包むことを知らないまゆゆが、二人を交互に見てから目の前のスクープを公言する。
「え……、まさか、恋人とか?」
「違いますけど」
「違わないこともないけど」
後者を発言した磯良さんが、人差し指を口元に立て、まゆゆに笑顔を向ける。
は?恋人?いるの?貞子が?令和のアイドルと??
まゆゆは「萌え死ぬ」と一言言って、両手で自分の頬を挟んだ。
「ライブの最後に意味深発言してましたもんね。あれってやっぱ恋人に向けてだったんだ。」
きゃーと今にも発しそうなまゆゆを前に、水絵さんが磯良さんを軽くあしらった。
「接客中だからあっち行ってて」
「んじゃお姉さんたち終わったら、次俺接客してね。」
水絵さんが机に置いていた手の甲に、そっと磯良さんが手を合わせる。水絵さんはすぐに手を引っ込めようとするけれど、磯良さんは水絵さんの手を掴み離そうとしない。
「
「わかったから!離して!」
磯良さんが満足そうな笑みを見せると、後ろにある待合席に座った。
磯良さんのお陰で、水絵さんがすんなり私たちの旅行予約をしてくれたのは言うまでもない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます