第207話
そのままベッドに連れて行かれると思ったのに。そこまで行くのが待てないらしい六神が、私をキッチンに座らせた。
「ごめん」
「えっ」
「もうちょい攻めさして」
ズボンをするりと脱がされて、ショーツに至っては片手で脱がされていく。
「な、や、なッん、」
キッチンにあたるお尻が冷たくて、私の股に埋もれる六神の舌がやたら熱くて、何が気持ちいいのか分からない、ただひたすらに脳の快楽を感じる。
足を持ち上げられて、どこにもいけない足の指先が宙に舞い。ただ狂ったように舐める六神の頭を引き剥がそうと抵抗しても全く通用しない。
最後に内太ももを強く吸い付かれ痕を残された。
「う、そ…しんじらんな」
「泣くの?」
「なか、ないしっ」
顔を両手で覆う私を、思い切り抱きしめてくれて。
お尻から持ち上げられるように抱っこされて、怖くて手を六神の首に回す。
「このまま抱っこしてやる?」
「やら、ないしっ」
「ならこっち」
ベッドに優しく降ろされて、六神がまた息継ぎの出来ないキスで私の唇をふさぐ。
トップスも脱がされて、ひたすら上半身にキスを降り注がれる。
「今日泊まれる?」
「ん……うん、」
「なら大丈夫か。」
何が?
六神が自分のルームウェアを脱いで、私の耳を舐めながら合間にささやく。
「めちゃめちゃにしてい?」
「や、ヤだ」
「ならめちゃくちゃにしてい?」
「ちがいが、わからないっ」
「ならめちゃくちゃ好きになっていい?」
そっと六神に目をやれば、ふっと口角があがって私に微笑みかけた。
あ、やばい
目に涙がたまると思った時には、すでにぽろぽろと流れてきていて。この状態で泣くなんて、私ってほんと空気壊すの大得意だ。
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