第135話
小さな泡一つ一つが弾けていくように、自分が奮い立たされていくのが分かった。
だめだ、まだ泣き言をいうには早い。私はもう新人じゃない!中堅なんだから、足を止めてる暇はないだろ実来!
「ありがとう池駒!」
一課へ戻る途中、課長と味八フーズになにをどう報告すべきか、頭の中で文章を組み立てていく。
自分を責めるのは後でいい。来週になれば笑ってビール飲んでる自分が必ずいるはずだ。大丈夫。
無理やりポジティブなことを思い浮かべ、心の準備を整えた。
山城課長には心底嫌そうな顔をされ、とにかくすぐに味八フーズに連絡して指示を煽げと言われ。
味八フーズに連絡をして、20分ほど待って折り返しの連絡がきた。
「とりあえずカナダのクライアントには、予定通り出港してほしいと言われまして。」
「では、常温でよろしいということでしょうか。」
「はい。ただ、今は一年の賞味期限がつけてありますが、常温となると半年の賞味期限になるのでシールの貼り替えが必要でして。」
「…こちらの不手際ですので、出来る限りのことはさせていただきます。」
「10000パックの貼り替えと、あと缶のバンドル梱包もあるので、恐らく…10人で3時間ほどかかるかと思いますが、」
「わかりました。なんとかカット日までにシールの貼り替えと梱包をさせて頂きます。この度は大変申し訳ありませんでした。」
味八フーズが貼り替え用のシールをすぐに機械で打ち出して、わざわざうちの会社まで届けてくれることになった。のだけど。
そのシールをクライアントが届けてくれる件について、なぜだかとんでもない人物が私を咎めに来ることとなる。
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