第128話
「やば、こういうガールズバーありそう」
「あってたまるか!ちょっおろして!」
六神の骨ばった手は握力を込めるかのように私の腰と太ももあたりをがっつりホールドしている。ズボンとはいえ、さすがに太ももは恥ずか死
ってこっちは真面目に怒ってんのに何さらしとんじゃい。
「てかあんた!こないだからおかしくない?距離感バグってんじゃない?!」
「そりゃバグるわ。こっちは散々お前に振り回されていい加減粗悪品にもなるよね」
「ね。ちょちょいまちっ」
六神が私をここぞとばかりに抱きしめてくる。距離感のバグ発生により、六神の顔が私の首元にうずくまった。もはや概念が死ぬ。
「ねえ、俺たちいつ別れたの」
「いき、くすぐった、」
「ねえ、いつ別れようなんて話した?」
「な、……」
「勝手に別れたことにしたのは、どこのどいつよ?」
「…………え」
泣き言いうみたいに、六神の吐息が弱くなる。
別れようなんて。確かに言葉にはしてないけど。
「あ、あんたが、私の貧相な身体みたって、欲情しないとかなんとかゆったんじゃん……だから、私にそういう感情がないんだとおもって」
喧嘩した後日、居酒屋で吐瀉物の顛末を見ていた男性社員に、「六神さんと実来さんて付き合ってるの?」って聞かれて。
だから私は「いや別れましたけども。」って。
「……俺はあの時、別れたつもりなかったんだけど。」
「う、うそ。。」
「だから今、勝手に適当な付き合いしててなにが悪いの?」
「……っ…」
「てかこないだ朋政課長来てたらしいね。」
「……はなし、急カーブ並みに反れたね。」
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