第93話
「…おい。うそだろ。」
「あ、起きた?」
「……てかそれ、あんたのスマホだよな?!」
「え、うん!わたしのスマホー。」
まさか……ここまでやる女だとは思わなかった。
トリセツに付随するアフター保証はまだ有効だろうか。いやこの女をメーカーに直接持ち込んで欠陥品として廃棄処分してもらいたい。
「でもこの画像は六神君のスマホに入ってたやつ〜。ンフフ」
「……あんた、プライバシーの侵害にも程がある。」
「六神君のスマホから私のスマホに送ってみたの〜。って、やっぱりこの画像って相当ヤバいやつぅ?」
「…………」
「だよねぇー…。さすがにさ、これは…。ハハ」
水絵の乾いた笑いが耳につく。耳が拒絶するかのように耳鳴りがした。これは夢じゃないのだと思い知らされる。
「ストーカーよりも質悪いっていうか。。私でもどん引きだわー……」
水絵のスマホを取り上げて画像を消去してやろうかとも思ったが、自分でも痛いほど引く画像なのが分かっていたため、図星を突かれて無駄な抵抗をする気にはなれなかった。
「なかなかに狂ってるね、六神君て。」
狂っていることを自覚している女が、俺を見て顔を引きつらせている。まさに“理解出来ない”とでも言っているかのように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます